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ビジネスパワーアップコラム<アイデア発想法編> 第一回

アイデア。私はこの言葉を聞くだけで、ワクワクします。世の中を大きく変える出来事も、日々のちょっとした喜びも、この「アイデア」から生まれることが多いと思います。変化の早い現代においてビジネスを進める上では特に、このアイデアの有無、もしくはアイデアの優劣がビジネス自体の成否を大きく左右するポイントとなります。

一方で、アイデアについての話題の際には「アイデアが出ない」「アイデアが思いつかない」という声をよく耳にするのも、また事実だと思います。私自身も重要な場面でアイデアがなかなか出ずに困ることもよくあります。実際に、前回までの「ロジカルシンキング編」コラムが終わった後で、新しいコラムのテーマを考える必要がありましたが、これについてはいろいろと悩みました。その際にふと「コラムのアイデアに困るのならば、アイデアの発想方法自体をテーマにしたら面白いのでは?」と思ったのですね。私自身、これまで多くのビジネスアイデアを考えてきましたし、元々「アイデアを発想する」ことが好きですので、今回のコラムからは「アイデア発想法」に関して色々とお話をしていきたいと思います。少しでも皆さんのアイデア発想のヒントとなれば、幸いです。

さて、今回はアイデア発想法の初回となりますが、まずはこれまでの私のコラムと同様に「アイデア」の本質を考えてみたいと思います。

国語辞書で「アイデア」を調べると、「思いつき」「新規な工夫」「着想」等の説明が出てきます(goo 国語辞書より)。では、その「思いつき」や「新規な工夫」という意味をもう少し掘り下げるとどうなるでしょうか。ここでは、アイデア発想法についてのベストセラーである、ジェームズ・W・ヤング著の「アイデアのつくり方」からヒントを得てみます。

アイデアとは? この問いにヤングは

「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」である

と答えています。私自身も、アイデアの本質を考える場合に、このヤングの定義ほど明解かつ簡潔なものは存在しないと考えています。ポイントは「既存の要素」の「新しい組み合わせ」であること、言い換えれば「無からアイデアは発想されない」ということです。

皆さんも実際に何かアイデアがひらめいたときのことを思い出してみて下さい。自分自身の過去の経験や興味のあること、目標や課題等があり、さらにこれらに関する様々な情報が存在する場合に、このような要素同士がふとしたきっかけで化学反応を起こすことで「アイデア」が生まれてきたのではないかと思います。逆に、このような構成要素が存在しない状況では、アイデアが生まれにくいか、そもそも「アイデアの必要性」自体を感じないかもしれません。

このことから、アイデアを発想するための基本要件が分かります。すなわち、アイデアとは

・前提となる目標・課題・問題意識等があり、
・その前提に関する様々な情報が存在し、
・それらの情報の新たな組み合わせを考えることで構築される

ものと定義できます。

従って、アイデアを発想する際には「問題の明確化」「情報収集」「組み合わせ思考」の3点がキーポイントであることが分かります。次回以降のコラムではこの3点について、実際にどのように考えるのかをお話していきたいと思いますが、今回はまずは「アイデアは無からは発想されない」こと、そしてアイデア発想時には

・問題の明確化
・情報収集
・組み合わせ思考

が重要であることをイメージしていただければと思います。

(担当:佐藤 啓