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ビジネスパワーアップコラム<アイデア発想法編> 第六回

前回のアイデア発想法編コラムでは、アイデア発想の上でのキーポイントとなるバックグラウンド収集=ながら収集についての具体的な方法を説明しました。バックグラウンド収集においては、

・特定の意図を思い浮かべずに様々な情報に触れ(情報のシャワー)
・その情報を解釈し(情報の咀嚼)
・要点や「気づき」のみを記憶した上で、情報の詳細は別途記録する(情報の記録)

これらの作業を日頃から継続的、かつ地道に行うことが基本となることを押さえておく必要がありました。そしてその際には、同時に「アイデア発想=問題解決のヒント」が「必ずあるはずだ」という潜在意識を常に持ち続けることが重要であり、「あきらめない」ことがアイデア発想に繋がることも改めて認識しておく必要がありました。

今回のコラムでは、実際に情報のバックグラウンド収集を行う際に役立つ、アイデアのヒントが眠っている「情報源」をいくつかご紹介したいと思います。
これらの情報源は、日頃から私自身が接しているものの中から、実際にアイデアを生み出すきっかけとなったものをピックアップしていますので、参考としていただければ幸いです。

■ ニュースサイト

Yahoo! JAPAN
msn.com

情報収集で欠かせないのは、やはりニュースサイトです。私自身の場合は、日経や朝日・読売・産経なども目を通しますが、Yahooとmsnが一番多いです。Yahooやmsnの場合、多数のニュース・雑誌サイトからのピックアップ記事がまとめて掲載されていますので、特定のジャンル等に偏ることなく、様々な情報を網羅できます。

この場合のポイントは、経済やビジネス寄りの記事だけでなく、政治や芸能・エンターテインメント、海外等、様々なジャンルのニュースに一通り目を通すことと、タイトルを見て面白そうな記事があれば、都度ブラウザのタブを新規に開き、本文を表示させてしまうことです。一つのタブ内で記事のタイトル一覧から本文に入っていくことを繰り返していると、操作に時間がかかるのはもちろんですが、タイトル一覧が都度消えてしまうので、記事の全体的な傾向が見えにくくなってしまいます。ですので、まずは記事タイトル一覧を全体的に眺め、興味のある記事は全て「新規タブで本文を開く」ようにすると、効率的な情報収集が可能となります。

■ 雑誌サイト

WIRED
東洋経済オンライン
ダイヤモンドオンライン
WEDGE Infinity

ビジネス雑誌系のサイトもアイデア発想の上では非常に役立ちます。その中でも、私自身の一番のお薦めは「WIRED」です。元々は「ロングテール」「メイカーズ」といった概念を提唱したクリス・アンダーソンが編集長を務めていた雑誌ですが(アンダーソンは現在は編集長を退いています)、ビジネスに関する情報だけでなく、新しい技術や概念、トレンドなどの話が盛りだくさんで、「気づき」が非常に多いのが特徴です。私自身はWIREDに関しては、サイトの閲覧だけでなく雑誌自体も購入しています。季刊で年4回の発行ですが、すぐに売り切れてしまうので、興味のある方はAmazon等で予約購入することをお勧めします。

■ 書評

ブック・アサヒ・コム
日本経済新聞 ブックレビュー
本よみうり堂

書評については、ビジネスとは少し離れたところで、普段接しないような情報を得るためのきっかけとして利用しています。毎日ではなくても、定期的に目にすることで、面白い情報を得られることがあります。そして、気になった本は「とりあえず買う」ことですね。もちろん、全てを読めるわけではないのですが、ふとしたときに手に取ることで、新しい発見があることも多いです。

書籍に関していえば、時々は実際の書店に足を伸ばすこともお薦めです。私自身は平均して2-3日に1回はAmazonで本を買っていますが、月に1回は書店にも足を運ぶようにしています。その際は、普通に生活していると縁がないようなジャンルの雑誌や書籍を3-4冊まとめて買うようにしています。先日は「猫びより」という猫の雑誌を買いましたが、猫の話だけでここまで書けるのか・・・と、雑誌の構成や内容から「気づき」を得られました。

■ その他

上記以外の情報収集手段として私が使っているのは「メルマガ」や「DM」です。メルマガやDMと言いますと、「勝手に送りつけられる」といったネガティブなイメージを持たれるかもしれませんし、実際には全く役に立たない情報も多いと思います。しかし、ごくまれに「これだ!」という情報が紛れ込んでいることも事実です。

「情報はゴミ箱の中に」という今回のコラムのタイトルは、マクドナルドの創業者であるレイ・クロックの自伝「成功はゴミ箱の中に」から拝借したものですが、まさに「ゴミ箱の中に宝が眠っている」こともあるのが、メルマガやDMだったりすると私自身は考えています。

弊社の事例ですと、ライブセミナーシステムの原型となるアイデアのきっかけは、一通のスパムメールの中にありました。私自身は時々、スパム・ジャンクメールの整理をするのですが、通常はタイトル等を選択し、中身は確認せずに一括削除するにも関わらず、このときは「たまたま」中身を確認していたのですね。そのときにふと「ひらめいた!」のがライブセミナーの原型でした。

ですので、ゴミをゴミのままにするか、宝に変えるかは意識次第とも言えるかもしれません。ただし、ゴミ箱の中身をしっかり確認することを仕事にしてしまうと、本業を行う時間が取れなくなってしまいますから、そこはあくまでも「運が良ければ」という程度にしておくと良いのだと思います。

今回のコラムでは私自身が日頃から接している情報源のうち、お薦めの物をいくつかご紹介しました。これらの情報収集はあくまでも「ながら収集」で行うべきものですので、本業の時間に差し支えのない程度に、気分転換を兼ねて行うのが良いと思います(と言いつつ、私自身も気がついたらニュースサイトを1時間くらい見てしまっていることはよくありますが・・・)。問題意識を持ちつつ、多様な情報源に接することがアイデア発想の上では大切ですので、参考にしていただければ幸いです。

(担当:佐藤 啓