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色の持つ効果についてのシリーズ第七回目のWeb系コラムでは、マイナスのイメージを持つ黒を使用する際のポイントについて見てきました。今回は紫色を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

紫色は多くのブラウザで訪問済みリンクの規定色となっており、意外によく使用されている色ですが、実際は好みがかなり分かれる色です。聖徳太子の冠位十二階の最高位の色にあるように、紫色は古くから高貴な人を象徴する色として使用されてきました。赤と青の両方を合わせ持つ紫は、神秘的でミステリアスなイメージを彷彿とさせます。女性が使用する化粧品や香水などに紫色が使われていることが多いですが、これは紫色の持つミステリアスなイメージを意図したものです。一方、誠実さや信頼をイメージとして出したいコーポレートサイトなどでは紫色が使用されることは多くありません。
法事等で住職の座る座布団の色にかなり濃い青寄りの紫色が使用されていることから、青寄りの濃い紫色を多く使いすぎますとマイナスのイメージが出る場合もありますので、使用する量には少し注意をしておきましょう。反対に、薄い紫色はラベンダー色として女性に好まれやすく、特に安らぎを印象づけたい場合に使用すると効果的です。

紫色の使用例を以下から見ていきましょう。

ANNASUI

紫色によるミステリアスなイメージが、アナスイの特徴であるオリエンタルで神秘的なイメージと合致しています。ロゴに使用されている紫色はやや青寄りですが、彩度や明度をやや落とす事でマイナスのイメージに成らないようにしています。背景を無彩色である黒で覆う事によって、紫色のイメージがさらに強調されています。画像中央に使用されているバナーも紫色がテーマカラーとなっているため、Webサイト全体の統一感やまとまりが強く感じられます。

MENARD

ヘッダーの一番上や、クリックを促すバナーの一部など要所要所に配置した紫色が、他はほとんどが薄い色のバナーであることによって、しっかりと色のイメージを伝えています。彩度が高い色を多く使用しますと、マイナスのイメージを与えてしまう事がありますので、好みが分かれる色をあえて少量に押さえるという使い方がされています。白の余白を多めに取っていることは、それぞれの色のイメージを混ぜないために効果的な工夫の一つです。

いろみごこち

安らぎを印象づける薄い紫色が特徴的なWebサイトです。心理的な印象をすばやく伝えるには、色による訴求が最も適しています。背景の薄い紫色と、メニューなどに使用される濃い紫色のコントラストによって重要な箇所を目立たせつつも、Webサイト全体はやさしい印象に仕上げています。青寄りの紫色を全体に使用しているため、黄色に近い色のバナーがアクセントになっています。

(担当:斉藤 万幾子