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これまで6回にわたりドキュメント整備に関するコラムをお届けしてきました。これまでのドキュメント整備に関するコラムは、システム開発やシステム運用の現場において、どのようにドキュメント整備を浸透させればよいのかという観点でお話ししてきました。
しかし、ドキュメント整備が必要なのはシステム開発の現場だけとは限らず、あらゆる業務の現場に言える事ではないでしょうか。

そこで今回は、ドキュメント整備に関する第7弾のコラムとして、これまでの内容がシステム開発以外の業務にどこまで応用可能かを考えてみましょう。

まず最初に「ドキュメント整備はテンプレート整備から」よりテンプレートの応用について考えてみましょう。部門内で共通のテンプレートを整備することによるメリットについて考えてみます。

Microsoft Offie製品を使ったドキュメントが多いと思いますが、「パワーポイント」のマスターや「ワード」のヘッダー・フッター、ページ設定など、各部門や部署、会社で統一フォーマットがあれば、ドキュメント作成時の最初の設定にかかる時間が削減できます。テンプレートではなくても、Goodサンプルとしてのドキュメントを整理しておくだけで、作成にかかる時間は効率化されるでしょう。

また、部門毎に業務マニュアル、システム操作マニュアルなどのマニュアルがあると思いますが、それらのマニュアルに関しても統一のフォーマットで書かれていると、注意すべきポイントや作業の流れなど、見慣れたドキュメントのため、読みやすくなりますね。

次に「補足ドキュメントとして重要なQAシート」からQAシートの応用について考えてみたいと思います。QAシートは、新しい何かを作り上げるときには有効ですが、日々の業務への適用を考慮し、ドキュメントの意味合いを少し変えてみます。QA(質問と回答一覧)シートという考え方からFAQ(よくある質問集)シートに変えてみましょう。おそらく項目そのものは大きな違いはありませんが、目的を変えることで、ドキュメントのイメージが大きく変わってきます。

日々の業務を実施している中でのコツや、わからない単語などをこのFAQシートに掲載することにより、初めて該当業務を実施する人や、初めて部署に来た人に対する、引き継ぎ資料となります。
部門内で出た疑問点についてもFAQシートに記載しておくと、口頭で話したこと、メールでやりとりした事がその場で埋没せずに、共有事項として部門内に浸透します。
また、業務におけるトラブルについてもFAQシートに掲載することで、誰かの口伝えによる伝説などにならず、共有事項として部門内に残るでしょう。

FAQシートへの登録は部門内の全員がレベル感を意識せずに、とにかく登録することが重要です。
FAQシートでは、カテゴリなどの項目設定も重要ですが、誰が、いつ掲載したのか、また、誰が、いつ更新したのかが重要になります。FAQシートを参照する人は、カテゴリやキーワードで検索する事も多いと思いますが、「○○さんだったら知っていると思う」という観点から人をキーワードに検索することが多くなるためです。

それでは、システム開発以外にも応用可能なドキュメント整備のポイントについてまとめてみましょう。

◆システム開発以外でも重要なドキュメント整備のポイント

 ▼テンプレート
  ・ドキュメント作成にかける時間を短縮できる
  ・マニュアルなどのドキュメントが読みやすくなる
  ・まずはGoodサンプルの収集から

 ▼FAQシート
  ・業務や単語をFAQ形式でまとめる
  ・部門内で出た疑問点をFAQに掲載する→メールなどへの埋没が
  ・トラブルについてもFAQに掲載する

ドキュメント整備は、どの様な部門・部署、業務であっても必要な業務の1つですね。
本コラムが、読者の皆さんの日々の業務に役立てば幸いです。

(担当:小口 真己