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色の持つ効果についてのシリーズ第三回目のWeb系コラムでは灰色の「主張しない」というポイントについて見ていきました。今回は逆に「主張する赤」を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

赤はWebサイトで最も多く使用されている色の一つです。心理的に赤からイメージされるものは「炎」「情熱」「革命」などの「力強さ」と深く関連付けられているため、赤を使用することで小面積でも強い印象を与えることができます。また赤は道路標識に使用されていることからも想像できるように目立ちやすい色ですので、特に重要な情報を伝達する場合によく使用されます。一方、赤を使用する量が多すぎると読み手の注意を分散してしまう可能性があるため注意が必要です。

以下の具体例から赤を使用するポイントを見ていきましょう。

WebCentric

活動的なイメージを表現する赤の選び方です。高い彩度の色を大きい面積で使用すると少し派手な印象を与えることもあるため、彩度を少しだけ下げる工夫が見やすい色使いのポイントになります。

Impulse

赤の明るさを抑えると落ち着いた印象を表現することが可能です。赤は彩度が強いものを大きな面積で使用する場合少しまぶしく感じることもあるため、このサイトのように少し暗めの色を使用し、また薄いグラデーションを加えることで見やすさを保ったまま色のイメージを伝えています。

recetas de rechupete

赤に限らず、暖色系の色には食欲を増進させる効果が存在することが知られています。このサイトでは少しオレンジに寄った、明るさを抑えた赤を使用することで、多様なアイコンから来るポップなイメージと同時にレシピサイトとしての信頼感を演出しています。

TAKE THE WALK

赤と黒の組み合わせは、赤の選び方次第でエネルギッシュなイメージや落ち着いたイメージを表現することができ、印象深いサイトに仕上げることができます。

このように一口に赤といっても様々な赤がありますが、心理的にも機能的にも読み手に「力強さ」や「重要性」というメッセージを伝える点は共通です。「重要性」というメッセージについて逆に考えてみますと、さほど重要ではない情報の表示に赤を使用することは、読み手に「間違った重要性」の印象を与えてしまう可能性がありますので注意が必要です。「力強さ」と「重要性」のどちらに比重を置くかを考える際には、色選びだけでなく文章などのコンテンツ自体の重要性も考慮することが大切なポイントとなります。

今回は赤の持つ「力強さ」や「重要性」というイメージを活用することで、心理的にも機能的にも分かりやすいWebサイトの構築が可能となることをお話しました。今後のWebサイト作りに生かしていただければ幸いです。

(担当:斉藤 万幾子