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色の持つ効果についてのシリーズ第四回目のWeb系コラムでは「主張する赤」を使用する際のポイントについて見てきました。今回は緑を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

緑は自然のイメージを表すために使用されます。明るい緑は、若葉や新緑などを連想させるため、成長を感じさせる印象になります。一方で暗い緑に近付けば近付けるほど、成熟した木々のイメージから安定感や伝統を感じさせる印象になるでしょう。また、緑はアイレストグリーンと呼ばれ、目に優しい色とされています。従って病院や工場などストレスを軽減させたい場所で、緑がよく使用されます。

緑は自然だけではなく、安心、安全のイメージも表します。例えば信号機や非常口階段があることを示す標示には、緑が使用されています。Webでは許可や了解の意味で使用することも可能です。一方で警告や禁止を与える色としては赤が挙げられます。

以下の具体例から緑を使用するポイントを見ていきましょう。

日本ピュアテック株式会社
明るい黄緑は若葉や新緑のイメージで、これから成長していく様子や爽やかな印象を受けます。背景色に白を使用することで、全体がより明るくなり印象が強くなります。
ただし、明るい黄緑と白はあまりコントラストが高くない組み合わせの配色です。このままでは少し頼りない印象になってしまうので、それを補うためにフォントをコントラストの高い黒に設定し、さらにフォントサイズを大きめにすることによって、全体のコントラストを上手に保ち、配色を引き締めています。

八女市奥日向神キャンプ場
キャンプ場のサイトですが、自然や環境をイメージできる緑が全体のテーマカラーとして選ばれています。
自然の色としての緑を選択する場合には、自然の中であまり見かけないような彩度の高い緑は避けるようにするのがポイントです。

Cathay Pacific
濃い緑が広い面で使用され、安全や伝統といった印象を与えることができます。ロゴでも使用されている、やや彩度を抑えた赤が緑とのコントラストとなり、美しい配色となっています。全体の色数を絞りこむことによって、色自体が与えるイメージが強力になります。

(担当:斉藤 万幾子