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色の持つ効果についてのシリーズ第五回目のWeb系コラムでは、緑色を使用する際のポイントについて見てきました。今回は茶色を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

これまで見てきた色と少し異なり、茶色から連想するものは人によって様々です。例えば土や紅茶、またはバイオリンなどの楽器を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。これらのポジティブな側面を見てみると、暖かい感じや、伝統的でしっかりしたイメージになります。
茶色は特定のイメージを持ちにくい色で、単体で使用する際には少し注意が必要です。具体的には、土の印象から、本来意図していなかった「汚れ」というネガティブな側面を浮かべる方がいる可能性があります。従って、茶色を使用する場合は人によって印象が分かれる可能性があるという前提を持ち、演出したいイメージを裏付けて、それ以外のイメージを払拭するような「写真と組み合わせる方法」が最も効果的です。写真のイメージをさらに強調し、補佐するような使用方法を、以下の例より見てみたいと思います。

DRIP ON

Webページ全体に一枚の大きな写真を配置して、あたかも書斎の中で一杯のコーヒーを楽しんでいるような臨場感と暖かさが伝わってきます。全体的に暗い茶色が多いWebページですが、暗い茶色を使用することで非常に落ち着いた印象になります。下の方に配置してあるバナーの背景色は黒色ではなく暗い茶色が使用されている点も、違和感を感じさせずに落ち着いたイメージを強調するワンポイントになっています。

有限会社 福工房

明るめの木の色を彷彿とさせる明るい茶色がWebページ全体の背景色に使用されており、優しいイメージに仕上がっています。家作りに直結する木材の写真がまず目に飛び込み、そのイメージが背景色の明るい茶色によって印象づけられています。この色だけでは少しぼんやりした印象になる可能性がありますので、ロゴに使用されている濃い茶色や、オレンジ色を部分的に使用することで全体の配色を引き締めています。自然界にあるような木材の明るい色と、Webパーツの一部にあるかすれたデザインによって、ナチュラルな印象も一層引き立てられています。

refocus[+]

濃い木の写真が背景に配置されたことにより、落ち着いた印象とビジュアルからくるナチュラルな印象が全面に押し出されたWebページに仕上がっています。全体的に彩度が抑えめになっているため、自然界のナチュラルな印象を妨げていない色使いもポイントです。

(担当:斉藤 万幾子