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色の持つ効果についてのシリーズ第六回目のWeb系コラムでは、特定のイメージを持ちにくい茶色を使用する際のポイントについて見てきました。今回は黒色を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

黒は暗闇や夜、死、隠匿など一部マイナスのイメージを含む色です。しかし美しいグラデーションや画像、色相などと組み合わせることにより、マイナスのイメージは払拭することが可能です。無機的な印象を与えやすいため、同じ無機的な印象を持つ灰色と一緒に使用されることも多くなります。
黒は灰色と同様に、彩度の強い色と組み合わせてもうるさくなりにくく、高彩度の色の印象をストレートに伝える特徴があります。従って、例えば商品自体にカラフルな色が使用されている場合、黒背景に配置することでその商品一つ一つを印象深く伝えることも可能です。

黒の使用例を以下から見ていきましょう。

NIKEiD GENERATOR

通常よりも彩度が高い商品画像に素早く視線が行く構成です。黒の割合が多く、商品ごとの色のイメージを保ちつつ、それぞれが区別され目立つようになっています。商品の色を活かしたい場合、無彩色を使用することも一つの方法ですが、白や灰色と比べて彩色の高い色とのコントラストを最も強く演出できるため、インパクトのあるデザインにしたい場合に黒を使用することで期待する効果を得やすいでしょう。

SEIKO

白と黒は最も明るさのコントラストが高い組み合わせです。Webページ上部で展開されるダイナミックなこの2色を組み合わせによって、強いインパクトを表現できます。無機色でまとめたWebページは、少しの色味があるだけでそれがアクセントになります。例えば右の赤色は、少量のみ使用されていますが視線でとらえやすいですね。

MOET&CHANDON

シャンパンのキャンペーンサイトに使用されている黒と金色の組み合わせは、高級感を演出するためのよく知られた配色です。「高級感」や「豪華さ」を上手く表現するためには、黒と組み合わせる色の彩度や色の数を抑えることがポイントです。逆に考えると、金色の彩度を強くしたり他の色を増やせば増やすほど、カジュアルな印象が前面に出やすくなります。

(担当:斉藤 万幾子