投稿日時:

前回は「本を読もう!」とのお勧めでしたが、そうは言ってもなかなか読書のための時間が取れず、読みだしてはみたもののなかなか読み切れず途中で投げ出してしまったという経験を持つ方もいらっしゃるでしょう。また、実際どんな本を選ぶべきかという悩みもあります。
今回は、「読みやすい本」のヒントをご紹介したいと思います。

よく「ビジネス文書は結論から書け」と言われます。「要点がわかりにくい」「結局何を言いたいのかわからない」メールや報告書は、読んでいて「イライラ」しませんか?

皆さんが小学校の作文の時間に指導されたことは「起承転結で書きなさい」だと思います。この書き方はビジネス文書には向いていません。エッセイや小説など「楽しみのために読む文書」向きです。

人間の脳は、道筋や目的地がわかっているとその内容も整理して格納できるため理解しやすくなります。しかし、目的地がわからないと、その一つ一つに考えこんでしまうため理解の効率が悪くなり「イライラ」しがちです。
ところが楽しみのために読む場合、それが「イライラ」ではなく「ワクワク、ドキドキ」に変わります。
これが小説を読む醍醐味ですが、読み慣れていなかったり時間がない状況では、楽しむ前に読むこと自体を挫折してしまう原因でもあります。

そこで、まずは「知っている本」から読み始めてはいかがでしょうか。
ある程度内容がわかっている状態で読み始めれば、地図なしで探検しているような不安もなくスムーズに作品世界を楽しむことができます。

たとえば、観たことのあるテレビ番組や映画の原作なら既にストーリーや登場人物が把握できている状態なので、物語の細部や映像との相違を楽しみながら読み進めることができます。
または、書評などで概要を知って興味のある本を読むこともお勧めです。弊社の書評がそのお役に立てば幸いです。

それでは、一冊目は「知っている本」から読み始めることにして、次回は「次に何を読むべきか」のヒントをご紹介いたします。

(担当:瀧川 仁子

投稿日時:

色には固有のイメージがあるというお話をこれまでにしてきました。

※これまでお話ししてきました各色のイメージは、以下をご覧ください。
白色
黒色
青色
緑色
赤色
灰色
紫色
茶色

今回は、色のイメージを訪問者に覚えてもらう方法についてお話したいと思います。

最も効果的な方法は、Webサイト全体で同じ色を使用することです。
同じ色を様々な場所で使用することで、色の印象を伝えやすくなりWebサイト自体を記憶してもらうことに繋がります。

Webサイトを構成するパーツの中で、特に以下のパーツで伝えたい色を使用することが効果的です。

・グローバルナビゲーションボタン
・アイコン
・見出し
・小さなデザインパーツ
・バナー画像

実際のWebサイトをいくつか見ていきましょう。

@basic

ロゴの青色をWebサイト全体に使用して、青色以外の面積が少ない配色です。上記にてご紹介した、伝えたい色のイメージを伝えるため使用すると効果的なWebパーツが、すべて同じ青に統一されてWebサイト全体がすっきりし、コーポレートカラーの青色のイメージを強く伝える構成となっています。

三和サインワークス株式会社

コーポレートカラーの非常に鮮やかな赤色をメインのテーマカラーにしたWebサイトです。非常に鮮やかな色を伝えたい色に設定することはあまり多くありません。というのも、上記のパーツの面積を多くとりすぎてしまうとWebサイトが騒がしくなることがあるからです。従って今回は、ヘッダーのグローバルナビゲーションやサブナビゲーションなど重要な箇所のみを目立たせ、他は小さなデザインパーツのみに絞ってテーマカラーを使用することで、にぎやかになりすぎず、かつコーポレートカラーを上手く伝えている構成になっています。
また、今回のようなLEDサインの商品を扱う会社ならば、鮮やかなコーポレートカラーをWebサイトのテーマカラーに設定してもなんら違和感は感じさせず、また他の会社があまり使用していない色を伝えたい色に設定できるという強みがあるため、Webサイトの他社との差別化につながりますね。

情報量が多いWebサイトで情報を整理する方法として、サブメニューごとに色を変えることで、訪問者にわかりやすくカテゴリーを表示させる方法があります。しかし色自体のイメージを前面にアピールするためには、この方法では逆に本来伝えたい色の効果を弱めてしまいますので、Webサイトを機能的に見せたいのか、それともブランドイメージをアピールしたいのかを見極めたうえで、使用する配色を考えることが重要です。

今回は色のイメージを訪問者に伝える方法として、同じ色を繰り返して使用することの重要性についてお話しました。
ひとつのコツとしましては、伝えたい色で配色したヘッダー部分を全ページ共通にするなどして、訪問者がどのページを閲覧していても、伝えたい色やロゴなどがつねに視界の中に入っている状態をまず作るように心がけるべきです。
皆様のお役に立てば幸いです。

(担当:斉藤 万幾子

投稿日時:

個人的な話で恐縮ですが、私は最近「子供を本に親しませる」活動に協力しています。
子供向けのイベントで本を紹介したり、小学校に書籍を寄贈するなど、子供たちに興味を持って本を読んでもらえるにはどうしたら良いかを模索しています。
そういった活動の中で、「親が本を読まないと子供も読まない確率は高い」という話が出ました。子供に本を買い与えたり薦める立場である親の影響は大きいと思われます。

忙しい大人としては、なかなか本を読む時間は取れないものです。その中で取捨選択していくため、まずは仕事で必要な本から、そして楽しみのための本は後回しになってしまいます。
今回は、その後回しになりそのまま読まなくなってしまいがちな「本」を、敢えて読もうというお勧めです。

読書の効能としてよく挙げられるのは、「知識が身に着く」「感性が豊かになる」「語彙力が豊富になる」といったところです。
知識と語彙力については仕事に役立ちそうですが、「感性」については特に今さら…と思われがちです。しかし、大人になっても「感性」を磨いたり成長することはできるものです。

小説には多数の登場人物が描かれます。一人一人異なる立場の人物を把握し理解しなければならないのは現実と同様ですが、小説の中では現実の世界では見えない他の人物の行動や内面が語られ容易に把握することができます。多様な価値観を受け入れ他者を理解することや客観的な視点を持つことは、オンでもオフでもコミュニケーションに役立ちます。
また、小説の結末が最初からわかっていてはおもしろくありません。既に語られた情報から想像し読み進むところにおもしろさがあります。つまり、「分析」し「予想」し「先を読む」訓練にもなります。

実は読書は、「ストレス解消」にも非常に効果的です。
日常の仕事や人間関係を離れてどこかでリラックスしたい!と思ってもなかなかできることではありません。読書をすることで、時間とお金をさほどかけずに心の中で別世界へと旅立つことができます。

さて、せっかく「本を読む!」と決意しても、なかなか読書のための時間が取れず、また読みだしてはみたもののなかなか読み切れず途中で投げ出してしまったという経験を持つ方もいらっしゃるでしょう。
または、書店に行ってみたものの実際どんな本を読むべきかという悩みもあります。
次回は、「読みやすい」本についてご紹介したいと思います。

(担当:瀧川 仁子

投稿日時:

【書籍名】永遠の0
【著者】百田 尚樹
【出版社】講談社

「海賊と呼ばれた男」を読んで以来、同じ百田さんの作品の中でもずっと読みたかった「永遠の0」を読み終えました。終戦から60年後、義理の祖父を持つ姉弟が祖母の死をきっかけに、神風特攻で亡くなったという実の祖父の事を調べていくことになります。「戦友会」を頼りに当時の祖父を知る生き残りの元軍人たちに会いにいき、彼らそれぞれの回想によって「特攻で死んだ」以外に何の情報もなかった祖父の実像に迫っていきます。緻密に描かれた航空隊の最前線、過去と現代が交錯するストーリー、まるで点と線が交わるように真実が明らかになっていくラスト。タイトルの「0」ってなんだろう?タイトルを知ったとき、漠然とそんなことを思っていました。読んでいる最中は夢中で当初の疑問を忘れてしまっていましたが、最終章でその意味が解りページをめくる手が止まり思わずはっとします。国家や生に対しての、生々しいまでの執着を通して描かれる登場人物の人間的魅力ももちろんですが、真珠湾以降の戦況についてかなり詳しく書かれているドキュメンタリー的なフィクションで小説として最初から最後まで本当によくできた作品でした。

「生きて家族のもとに帰りたい」「死ぬな」「生きる努力をしろ」
太平洋戦争時、当時の軍人には決して許されないことを口にする零戦の敏腕パイロット宮部久蔵、彼が「特攻で死んだ」実の祖父です。そんな彼が、最後は神風特攻として米艦に突っ込み戻ってくることはありませんでした。なぜ、生きて帰ることへ執着していた彼が最後の最後で特攻を志願したのか。そして、それでも彼は最後の最後で未来永劫に愛する家族を守るということを実現しています。

本当は誰もが「生きたかった」当時の軍人たちに、究極の状況下で施された「教育」とはどのようなものだったのかを知ると感慨深いものがあります。現代では、戦争については既成事実・結果を時系列に追うことが教育に使われているのがほとんどで、自発的に望まない限り複雑な背景や事情といった情報は入ってきません。戦後に生まれた人間として、それでいいのでしょうか。私は戦争体験者が今の時代から完全にいなくなってしまうのがとても不安です。その不安は、大人になり見守ってくれていた親から自立し単身で家を出るときにある程度の覚悟がいることと似ている気がします。一国民として「自国に責任を持つこと」に対する覚悟です。日本人としての責任を考えたとき、未来の「教育」について思いを馳せずにはいられません。資源のない日本は、戦時中、人間そのものが資源、いわゆる兵器として扱われていました。それが当然だと教育されていたし、軍人たちは皆、自分たちは無駄死にではないと言い聞かせ、お国のため死ぬ意味を見つけ死んでいきました。それだけ「教育」が持つ力は大きいのです。それ故に私は「教育」の怖さを改めて感じました。

私たち個人ができることは、たかだか69年前まで日本も血を流して戦っていたという事実を忘れないこと、次の時代に受け継いでいくこと、そして戦争を無駄にしないこと。その未来への「教育」に少しでも加担することではないでしょうか。本書はフィクションですので、当時の特攻の様子や戦況について描かれていることだけがすべてだとは思っていません。ただ、「教育」において知識欲を刺激することが第一フェーズであり、真偽は別としても本書はまずはその一歩に最適ですので、ぜひ読んでみていただきたいと思います。

※原作を読み終えてから時間を空けることなく映画を観に行きました。最初から「読んだら映画を観よう」と決めていました。オープニングはゼロ戦の戦闘シーンでした。もし原作を読んでいなかったら零戦を単なる被写体として見て、青空の中飛んでいる姿を「きれいだ」と思ったかもしれませんが、原作を読みその中に乗り込んでいる軍人たちのことを知ってしまっている私としては、姿を見るだけで胸が締め付けられました。原作は長編のため映画ではかなり端折ってあり、中身は薄くて物足りまりませんが、映像としては素晴らしく、特に宮部久蔵を演じた俳優:岡田准一の演技はただひたすらに圧巻です!

(担当:永田 優子

投稿日時:

いよいよ、今年も残すところあとわずかとなりました。本年最後のパワーアップコラムとして、今年VBAのセミナーを受講された方の傾向から、是非とも理解していただきたい関数間の連携についてご説明したいと思います。

VBAセミナーを受講される方の半分以上が、初めてプログラミングに触れる方になります。
そして、初めてプログラミングに触れる方の多くが、関数間の連携に戸惑い、難しく感じています。
本コラムでは、具体的なサンプルプログラムを使って、関数間の連携についてご説明します。

プログラムというのは、同じことを実現するために、いろいろな書き方があります。
そこで「1と10を足して結果の11を表示する」動きを実現する、4パターンのサンプルプログラムを準備しました。
この4パターンのプログラムを使って関数間の連携に関するポイントについてご説明しましょう。

◆パターンA
 シンプルなソースコードにしています。以降のソースコードは、このパターンAとの比較にて、ご説明していきます。
 
 ▽Main関数のポイント
  ・変数は戻り値のみ(ret)を準備し、計算対象となる数値は直接書き込んでいます。
  ・CalcProcedureからの戻り値は引数に記載している1と10の足した数字である11になります。
  ・CalcProcedure関数のxに1が代入され、yに10が代入されます。

 ▽CalcProcedure関数のポイント
  ・引数はxとyの2つになります。
  ・計算結果を格納するための変数(result)を準備しています。
  ・計算で使われているxとyは引数のxとyを意味します。

' 呼び出す関数
Sub Main()

    ' 戻り値の格納場所を変数として宣言
    Dim ret As Long
    
    ' 計算する関数を呼び出す
    ret = CalcProcedure(1, 10)
    
    ' 計算結果を表示する
    MsgBox ret
    
End Sub

' xとyを足して結果を返す関数
Function CalcProcedure(x As Long, y As Long) As Long

    ' 計算結果を格納するための変数
    Dim result As Long
    
    ' xとyの足し算を計算する
    result = x + y
    
    ' 計算結果を戻り値にする
    CalcProcedure = result

End Function

◆パターンB
 パターンAと違い、変数を宣言せずにCalcProcedure関数の行数を少なくしました。
 
 ▽CalcProcedure関数のポイント
  ・計算結果を格納する変数を準備せず、計算結果を直接戻り値に設定しています。
  ・計算で使われているxとyは引数のxとyを意味します。

' 呼び出す関数
Sub Main()

    ' 戻り値の格納場所を変数として宣言
    Dim ret As Long
    
    ' 計算する関数を呼び出す
    ret = CalcProcedure(1, 10)
    
    ' 計算結果を表示する
    MsgBox ret
    
End Sub

' xとyを足して結果を返す関数
Function CalcProcedure(x As Long, y As Long) As Long

    ' 計算結果を戻り値にする
    CalcProcedure = x + y

End Function

◆パターンC
 パターンAと違い、変数を宣言せずにMain関数の行数を少なくしました。

 ▽Main関数のポイント
  ・CalcProcedureを呼び出した結果をメッセージボックスで表示しています。
  ・CalcProcedure関数のxに1が代入され、yに10が代入されます。

' 呼び出す関数
Sub Main()

    ' 計算結果を表示する
    MsgBox CalcProcedure(1, 10)
    
End Sub

' xとyを足して結果を返す関数
Function CalcProcedure(x As Long, y As Long) As Long

    ' 計算結果を格納するための変数
    Dim result As Long
    
    ' xとyの足し算を計算する
    result = x + y
    
    ' 計算結果を戻り値にする
    CalcProcedure = result

End Function

◆パターンD
 パターンAと違い、Main関数で利用する値に対し全ての変数を宣言したため、Main関数の行数が増えています。
 
 ▽Main関数のポイント
  ・Main関数で宣言されているinputX、inputYはCalcProcedureのx、yに代入されます。

' 呼び出す関数
Sub Main()

    ' 戻り値の格納場所を変数として宣言
    Dim ret As Long
    Dim inputX As Long
    Dim inputY As Long
    
    ' 値の設定
    inputX = 1
    inputY = 10
    
    ' 計算する関数を呼び出す
    ret = CalcProcedure(inputX, inputY)
    
    ' 計算結果を表示する
    MsgBox ret
    
End Sub

' xとyを足して結果を返す関数
Function CalcProcedure(x As Long, y As Long) As Long

    ' 計算結果を格納するための変数
    Dim result As Long
    
    ' xとyの足し算を計算する
    result = x + y
    
    ' 計算結果を戻り値にする
    CalcProcedure = result

End Function

いかがでしたでしょうか。関数間のつながりについて、イメージが持てましたでしょうか。1つのソースコードをじっくりと説明する方法ではなく、いろいろな角度から同じ実行結果になるようなサンプルプログラムをご紹介することで、理解を深めてもらう手法にてご説明いたしました。

本コラムが、読者の皆さんの日々の業務に役立てば幸いです。

(担当:小口 真己