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前回のWeb系コラムではボタンのデザインによってユーザーの操作性が変わってくるというお話をしました。今回のコラムでは、Webページにおけるユーザーの操作性を決める上で、ボタンと同様に重要なポイントである「リンク」についてのお話をしたいと思います。

ユーザーがトップページに来訪したとき、別のWebページに移動してもらうためには、ボタンまたはリンクを押してもらう必要があります。
従って、ボタンだけでなくリンクについても、ユーザーが「クリックできそうだ」と思わせるための仕掛けが必要ということになります。
では「クリックできそうなリンク」の特色とは、どのようなものでしょうか。

一般的なリンクの条件は以下の通りです。
1、下線が引かれている
2、青色の文字である

実際、このようなリンクは様々なWebサイトでよく目にするのではないかと思います。
実はこの「なんとなくクリックできると分かる」という予測こそが、リンクにとっては重要な要素となります。
リンクが「リンクである」ことを正しく認識できないと、別のページにユーザーを誘導する機能が働かないことになりますので、結果としてリンク先のWebページの閲覧が行いにくくなる可能性が高くなります。
ですので、リンクの下線を外したり、色を変える際には一考が必要かもしれません。
ちなみに現在では、リンク先を訪問した場合にリンクの色が紫色に変わることも、一般的な認識になりつつあるようです。

ここで、少し別の視点のお話をしましょう、青色の特色についてです。
人によっては識別しにくい色が存在し、特に、赤色や緑色の区別がつきにくくなる場合が多いそうです。
一方で、青色は誰でも比較的判別しやすい色とされています。
ですので、リンクに青色を使うということは、誰もが識別しやすいということに加えて、ユニバーサルデザインともマッチしていると言えます。

最後に少し例外的なリンクも見てみましょう。

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下線の無い青色文字が、リンクとなっています。
このようにデザインした理由としては、ページ内でのリンク数が多いため、すべてに下線を引くとかえって視認性が悪くなってしまうからではないかと思われます。
リンクの下線を削除し、リンクの色だけを変更しているサイトの例としては他にもWikipedia等がありますが、一般的にはページ内でのリンクが多いWebサイトの場合、リンクの下線を削除して色だけを変更することが多いようです。

以上のように、視覚的な美しさとWebサイト自体の機能のバランスをとりながら、有効なリンクを作っていただければと思います。

(担当:斉藤 万幾子