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前回のWeb系コラムでは「アイコン」が使用される具体例ついてのお話をしました。
今回は、Webに隠されている数字について、その使いどころに着目しながら、具体例を見ていきたいと思います。

メイン画像の下に、3つのコンテンツが並んでいるレイアウトをご覧下さい。
かなりポピュラーなデザインなので、似たようなデザインを何回か見た事があるかもしれません。
なぜ、このデザインに人気があり広く使われているのか、これを今回は解説して参りたいと思います。

Flickr

皆さんは「マジカルナンバー」という言葉を聞いた事はおありでしょうか。
マジカルナンバーとは、短期記憶の容量が5プラスマイナス2であることを発見した、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーの考案した言葉です。
具体的には、マジカルナンバー=5プラスマイナス2、すなわち「3~7」となり、この分量であれば、人間はパッと情報を見てすぐに記憶できると言われています。

Webページ制作では、このマジカルナンバーを重視する事が大切です。
なぜなら、人間が「パッと見てパッと判断できる」言い換えれば「短期的に記憶できる情報の量」には限りがあるからです。
プレゼンで覚えておくべき「数字」 コラムにもあるように、この数字を覚えておく事で、Web制作においても作業の効率を高める事ができます。

ここで、今回のFlickrのサイトをもう一度見て参りましょう。

真ん中下を見ますと、コンテンツ内容がマジカルナンバーの「3つ」にまとまっています。
この「3つの構成」はWebのコンテンツ制作において非常に有効です。
Webページは、まず情報を目でざっと探して、必要な箇所をつまみ食いのように読まれる特徴があります。
これをもう少し掘り下げて考えてみますと、「情報をざっと目で探す」には、コンテンツの構造が単純である必要があります。
そして「必要な箇所をつまみ食いのように読まれる」ためには、コンテンツの概要が把握しやすい工夫が必要があります。
この2点を表現したものが、今回のFlickrのページであると私自身は考えています。
Flickrのページを確認しますと、構造を単純化させる「3つ」のコンテンツが存在し、それぞれのまとまりの中にはその概要を短くまとめてあることがわかります。

マジカルナンバーを使ったコンテンツ制作は、その内容をまったく知らない初心者の方向けのレイアウトとして、特に利用価値の高いものであると私自身は考えています。
また、このレイアウトは、多様なサービス内容をシンプルに知ってもらいたい場合のレイアウトとしても有用です。
人気があり、直感的に理解しやすいレイアウトの裏側には「マジカルナンバー」の存在があるという点を、ぜひ覚えておいていただければと思います。

皆様が文章や情報をユーザーにわかりやすく提示する際の一助となれば幸いです。

(担当:斉藤 万幾子