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Excel2007/2010は、様々な点で著しく「強化」されています。従来よりある機能でも設定できる範囲が大幅に拡大したり、便利な機能が追加されました。また新規に追加された機能も多々あり、より簡単に便利にデータの管理や情報の分析が行えるようになりました。

■ 新機能・強化

◆ ワークシート
ワークシートが拡大されました。
Excel2003までは「65,536行×256列(IV)」でしたが、Excel2007および2010では「1,048,576行×16,384列(XFD)」となりました。
また、シート見出し部分に [ワークシートの挿入] タブができ、従来ショートカットメニュー等から行っていたワークシート追加がワンクリックでできるようになりました。

◆ 関数
関数をメニューから選択する方法は、従来より [オートSUM] ボタンと [関数の挿入] がありましたが、2007からはそれに加えて [数式] タブの [関数ライブラリ] で関数の分類をリボンから選択できます。
また、直接入力の際には候補の関数を表示する [関数オートコンプリート] 機能もあり、うろ覚えの関数も入力しやすくなりました。

新しく追加された関数もあります。
たとえば、[SUMIF] [COUNTIF] [AVERAGEIF] では検索条件は一つしか設定できませんでしたが、新しく追加された関数 [SUMIFS] [COUNTIFS] [AVERAGEIFS] では複数の検索条件が設定できます。
従来エラー回避は [IF] 関数で行いましたが、[IFERROR] で「数式がエラーの場合は指定の値を返し、それ以外の場合は数式の結果を返す」という処理もできるようになりました。

◆ 条件付き書式とスパークライン
[ホーム] タブ → [条件付き書式]
従来の「条件付き書式」は「セルの強調表示ルール」となりました。1つのセルに設定できる書式は3つまででしたが、無制限に設定可能となりました。
また、下記の新しい機能も加わりました。

「データバー」:データバーの長さで値の大小を表し、データの大小を把握する
「カラースケール」:色の濃さや配色で値の大小を表し、データの分布を把握する
「アイコンセット」:3~5のランクに分類したアイコンを付け、データの傾向を把握する

これらの新機能により、従来グラフでしか表現できなかった「データの視覚化」がセルごとに手軽にできるようになりました。
さらにExcel2010では「スパークライン」([挿入] タブ - [スパークライン])が加わり、セルの中に小さなグラフを埋め込むこともできます。

■ データベース機能

◆ テーブル
[挿入] タブ → [テーブル]
Excel2003の「リスト」がさらに発展し、「テーブル」としてデータベースの管理や表の書式設定が簡単に行えるようになりました。フィールドごとにフィルタが設定され、見出し行や集計行も簡単に追加できます。

◆ 並べ替え
[ホーム] タブ → [並べ替えとフィルタ] → [ユーザー設定の並べ替え]、または [データ] タブ → [並べ替え]
並べ替えで設定できる条件は3つまでだったのが、64個まで設定できるようになりました。
また、セルやフォントの色での並べ替えも可能です。

◆ オートフィルタ
[ホーム] タブ → [並べ替えとフィルタ] → [フィルタ]、または [データ] タブ → [フィルタ]
抽出するレコード条件は、複数の選択が可能になりました。また、セルやフォントの色による抽出も可能です。

■ グラフとピボットテーブル
ウィザードがなくなり、少ない手順で簡単に作成できるようになりました。

◆ グラフ
[挿入] タブ → [グラフ]
デザインの種類が豊富で各要素の編集もリボンから簡単にできます。また、従来の「○○の書式設定」での編集も可能ですが、ダブルクリックではなく右クリックのショートカットメニューのみとなります。

◆ ピボットテーブル
[挿入] タブ → [ピボットテーブル]
従来はフィールドリストからピボットテーブルの各フィールドに直接項目をドラッグし配置しましたが、画面右側の作業ウィンドウ内でフィールドリスト下のレイアウトセクションに項目をドラッグするようになりました。 主な設定が作業ウィンドウにまとまっています。

(担当:瀧川 仁子