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ビジネスパワーアップコラム<プレゼン編> 第四回

前回のプレゼン編コラムでは「プレゼン作成において覚えておくべき数字キーワード」のお話をしましたが、今回は少し視点を変えて、「プレゼン本番を迎えた際のキーポイント」をご紹介したいと思います。

プレゼン本番。どれだけ入念な準備をし、練習を行ったとしても、本番ではどうしても多かれ少なかれ「緊張」をしてしまうと思います。私自身もプレゼン本番、特にプレゼン前の1時間くらいは、何度経験をしてもあまり好きな時間ではありません。この緊張の原因ですが、大きく分けて2つあると私は考えています。一つは「時間に起因する緊張」、もう一つは「雰囲気に起因する緊張」です。

プレゼンにおいて最も悩ましいポイントの一つは「持ち時間」です。自身が伝えたいことを「時間内に」伝え、それに対して同意を得ることが出来るかどうかがプレゼンの最大の目的ですから、時間をオーバーしてしまうことはもちろんのこと、時間内に内容を分かりやすく伝えられなければ、それもプレゼンとしては「失敗」というわけです。

この「時間」の制約については、当たり前の話ではありますが「練習」あるのみと私は考えています。前回の「数字キーワード」でお伝えしたように「1枚1分」「1分で最大300文字」という決まりをしっかり守って作ったつもりでも、最初の通し練習では「時間超過」をすることが殆どです。通し練習を行って時間感覚をつかんだ後、内容の絞り込み・整理を一度行い、その上で「時間内に」話し終える練習を最低2~3回は繰り返すこと。この「リハーサル」をしっかり行うことで「時間感覚」を身に付けられれば、時間を味方にすることが出来ます。こうなると、内容をしっかり固めてあるプレゼンであれば、本番でもほぼ8割方はうまく行くと思います。

そして、もう一つの緊張の要因は「雰囲気」です。プレゼンを経験した方ならイメージが沸くかと思いますが、どのような場所や内容であれ、プレゼン時には「独特の雰囲気」が流れていると私は思っています。「相手の話を真剣に聞こう」という想いや「何か突っ込むポイントはないだろうか」という感覚等が入り交じった、まさに「張り詰めた空気」がプレゼンの場を支配することは多いと思います。

この「独特の雰囲気」にのまれてしまうと、せっかくよい資料を用意しても、言葉がうまく出てこずに失敗をしてしまうかもしれません。特に聴衆の中に「腕を組んで眉間にしわを寄せている」ような、友好的な雰囲気ではあまりない方がいると、余計に緊張してしまったりするかもしれません。

このような場合、私が良く行うのは「プレゼンの味方」を探す作業です。「プレゼンの味方」の探し方は簡単です。話し始めの30秒~1分くらいで、まずは「きちんと目を合わせて話を聞いてくれる人」を探します。さらにその中で、目が合うと少しほほえんでくれたり、雰囲気が柔らかそうなど、「一対一であれば話をしやすそうな人」を2~3人探します。私の経験では、どのようなプレゼンであっても、このような「話しやすそうな人」は、1人はいるものです。

この「プレゼンの味方」が見つかれば、プレゼンはほぼ成功したも同然です。後はこの「味方」の人だけに順番に目を合わせながら、話をすれば良いのですね。相手が10名だろうと100名だろうと、あるいは1,000名だろうと、すべきことは同じです。対象を2~3人に絞って話すイメージをつかんでしまえば、雰囲気による緊張感を和らげることが出来ます。他の大多数は「空気」と思ってしまえばよい、ということですね(もちろんですが、必要なフォローは後からする必要がありますが)。

以上、時間と雰囲気というプレゼンの2大緊張要因に対して、緊張を和らげることが可能なキーポイントのご紹介でした。プレゼンで緊張してしまう方は、是非参考にしていただければ幸いです。

(担当:佐藤 啓