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ビジネスパワーアップコラム<プレゼン編> 第十五回

前回のプレゼン編コラムでは、「プレゼンデザインの決め方」と題して、シナリオと並んで大切なポイントである「デザイン」に関するお話をしました。今回は前回の話を踏まえ、効果的な背景写真等の「イメージ」を効率的に探す方法についてのお話をしたいと思います。

デザインを考える上では、背景写真等のイメージがキーポイントとなるケースが多く存在します。前回のコラムで述べた通り、伝えたいイメージに即した背景画像等を活用することで、聴衆が理解しやすく、また記憶に残りやすいプレゼンが可能となることも多いからです。

一方で、私のようにデザインが元々「苦手」な場合、効果的な画像をどのように探すのかということは、常に大きな課題となります。実際、私自身が背景画像まで含めたプレゼン資料を作成する場合には、プレゼンのシナリオを検討する時間よりも、画像イメージを探す時間の方が多くなることもあります。そこで、私は自分自身の経験も踏まえ、「探す場所を決めておく」ことをお薦めしたいと思います。

画像については大きく、

・無料
・有料

の2種類が存在します。有料画像の方が品質(=画像のきめ細かさ)が高く、また種類も豊富ですが、無料画像でも高品質のものもありますので、うまく使い分けをすると良いと思います。また、画像自体はWebで検索し、そのままダウンロード(有料であればオンライン購入)出来るものが一般的ですが、有料であれば後述する「素材集」という形で、CD-ROM等に画像をまとめて収録し、販売しているものもあります。私個人の感覚では、有料の素材集を2-3点購入しておき、基本はこの素材集を活かすと良いと思います。その上で、足りない画像はWebから検索するという方法ですね。

それでは、私自身が普段使用しているWeb素材サイトおよび有料素材集をご紹介したいと思います。

◆ 無料素材

stock.xchang

無料素材について私が最優先で探す場所がこの「stock.xchang」です。ユーザー登録が必要であることと、全て英語であることからやや敷居は高いかもしれませんが、画像自体は無料であるにも関わらず、高クオリティのものが多いです。キーワードについても英語で入力する必要がありますので、必要に応じてオンラインの和英辞典(例:英辞郎)を併用すると良いと思います。

Office.com

Microsoftが提供する、画像やクリップアート等の素材集です。Officeユーザーであれば無料で使用することが出来ます。ただし基本的には「プレゼンやドキュメント等、直接その資料を販売しないもの」に対する使用に限定されており、直接的な商用利用(例えば、画像自体をまとめてCD-ROMに保存し、販売するなど)は認められていません。この点は後述する「ロイヤリティーフリー(RF)」でも補足したいと思います。

◆ 有料素材

素材辞典

私が個人的に最もお薦めしたい素材集が、この「素材辞典」です。ジャンル毎に画像データが200枚(100種類x2サイズ)収録されて、実売6,000円前後です(アマゾン等でも購入可能です)。人物写真の豊富さに定評があります。1-2種類程度購入しておくだけでも、色々な場面で活用できますので、ご興味をお持ちの方はぜひご確認いただければと思います。なお、現在は素材集だけでなく、オンラインで1枚から購入可能なプランも登場しています。

stock.foto

私が素材辞典と併用して、よく使用する有料素材サイトです。写真の枚数の豊富さもさることながら、一枚当たりの価格が安いので、安心して使用することが出来ます。英語メインのサイトと異なり、日本人等のアジア系人物画像も多いので、その点でもお薦め出来ます。

iStockphoto

非常にクオリティの高い画像を数多く収録しています。ポスター等にも使用可能な高解像度画像もありますので、プレゼン用途以外でも検索する価値はあると思います。価格はやや高めの印象ですが、毎週数量限定の「無料画像」提供もしていますので、定期的に確認するのも良いかと思います。

以上が私が普段使用している素材集ですが、これ以外にも様々な素材集がありますので、ご興味をお持ちの方は「写真 素材集」などのキーワードで検索してみると良いと思います。

なお、無料・有料どちらの画像を使用する場合でも、画像自体の「著作権」には細心の注意を払う必要があります。著作権が設定されている場合、素材の使用方法(特に商用利用)については様々な制約があることが殆どです。例えば、Webサイトデザインやプレゼンテーションでの使用は問題ありませんが、パンフレットとして配布する場合には別途契約が必要になる、等ですね。従って、原則としては「ロイヤリティーフリー(著作権フリー)」=「RF」 画像の使用を最優先で考えていただければと思います。

ロイヤリティーフリー(RF)の場合、このような著作権に関する問題は全てクリアされ、再販等の直接的な商用利用を除き、どのような用途であっても一度購入(無料であればダウンロード)すれば、後は自由に画像を使用できます。どのような素材集であっても、必ず「RF」または「ロイヤリティーフリー」の標記がありますので、画像検索の際は是非この「ロイヤリティーフリー(RF)」という点にも注意をしていただければと思います。

優れたデザインのプレゼン資料作成にはどうしても時間がかかりますが、綺麗に仕上がればその分だけ高い効果が期待できます。是非このような「素材集」を活用し、効果的なデザインに繋げていただければ幸いです。

なお、今回の「第十五回」をもって、プレゼン編コラムはいったん終了となります。来週からは「ロジカルシンキング編」がスタートしますので、お楽しみに!

(担当:佐藤 啓