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【書籍名】戦略思考トレーニング
【著者】鈴木 貴博
【出版社】日本経済新聞出版社

「戦略」と「戦術」の違いとは何でしょうか?

戦略と戦術を説明するために、最もわかりやすい例は、サッカーや野球などのスポーツチームの監督と選手に当てはめて考える事でしょう。

そこで、サッカーを例に考えてみます。サッカーの監督であれば、誰をピッチに立たせるのか、どの様なフォーメーションを組むのか「考える」のが役割ですが、サッカーの選手は与えられたポジションの中で、どのように動いて得点に繋げるか、相手の得点を防ぐかを「行動で示す」役割になります。これを「戦略」と「戦術」の言葉を使うと、「監督が戦略を考え、選手は戦術を披露する。」と
置き換えられるでしょう。

どちらが、重要かという観点はとても難しいですが、戦術で戦略をひっくり返すのはとても難しいと言えます。

引き続きサッカーの例で考えると、どれだけ素晴らしいサッカー選手が居ても、監督が起用しなければ、その素晴らしさを発揮できませんし、どれだけ得点力のある選手であっても、守りの要であるディフェンダーに起用されれば、その得点力を発揮するのは難しいと思います。

それでは、皆さんのビジネスに置きかえて考えるとどうでしょうか?サッカー監督のように、人の起用や作業の割り振りなど、マネージメント的な部分は「戦略」と置き換えることは容易だと思いますが、それ以外にも商品やサービスの販売戦略・開発戦略、会社や部署の今後の戦略など、いろいろと置き換えて考えることが出来るでしょう。

それでも「戦略」と言われると、どうしても経営戦略や部門戦略などの大きな話に捉えられてしまい、自分には必要ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「戦略」は日々のあらゆる行動の中に当てはめることが可能です。

もっとも小さな個人の単位で考えると、日々の業務を実施するうえで、時間配分や作業の優先順位を決めるのが戦略的思考と言え、それぞれの作業をいかに短時間で、質の良い作業とするのかが戦術を披露することに繋がります。
このように、それぞれの立場や状況によって、戦略や戦術の考え方は異なってくることと思います。

そこで、AccessやExcelなどのOfficeの使い方や、プログラムの方法など、目の前の業務を効率的に実施するため(戦術を実行するため)の技術を学ぶことも重要ですが、少し違った視点で戦略的な考え方について鍛えてみてはいかがでしょうか?

本日ご紹介する「戦略思考トレーニング」は数ある「戦略」と名のつく本に比べ、とても薄くて小さな本となっており、クイズ形式で頭の体操をしながら気軽に読み進めることができます。そのため、戦略的思考を勉強するために読む!と意気込まずに、まずは気軽にお手に取ってみてはいかがでしょうか。

「いろいろな発想をしてみる」、「数値を使って理論的にざっくりと考えてみる」など、頭の体操だと思って、通勤中の電車の中や仕事の休憩時間にでも、気分転換に読んでみると、目の前の業務が違う角度から見えてくるかもしれません。

本コラムが、読者の皆さんの日々の業務に役立てば幸いです。

【ジャンル】ビジネス、経営学、キャリア
【関連・お勧め書籍】戦略思考トレーニング2、戦略プロフェッショナル

(担当:小口 真己