投稿日時:

前回は「本を読もう!」とのお勧めでしたが、そうは言ってもなかなか読書のための時間が取れず、読みだしてはみたもののなかなか読み切れず途中で投げ出してしまったという経験を持つ方もいらっしゃるでしょう。また、実際どんな本を選ぶべきかという悩みもあります。
今回は、「読みやすい本」のヒントをご紹介したいと思います。

よく「ビジネス文書は結論から書け」と言われます。「要点がわかりにくい」「結局何を言いたいのかわからない」メールや報告書は、読んでいて「イライラ」しませんか?

皆さんが小学校の作文の時間に指導されたことは「起承転結で書きなさい」だと思います。この書き方はビジネス文書には向いていません。エッセイや小説など「楽しみのために読む文書」向きです。

人間の脳は、道筋や目的地がわかっているとその内容も整理して格納できるため理解しやすくなります。しかし、目的地がわからないと、その一つ一つに考えこんでしまうため理解の効率が悪くなり「イライラ」しがちです。
ところが楽しみのために読む場合、それが「イライラ」ではなく「ワクワク、ドキドキ」に変わります。
これが小説を読む醍醐味ですが、読み慣れていなかったり時間がない状況では、楽しむ前に読むこと自体を挫折してしまう原因でもあります。

そこで、まずは「知っている本」から読み始めてはいかがでしょうか。
ある程度内容がわかっている状態で読み始めれば、地図なしで探検しているような不安もなくスムーズに作品世界を楽しむことができます。

たとえば、観たことのあるテレビ番組や映画の原作なら既にストーリーや登場人物が把握できている状態なので、物語の細部や映像との相違を楽しみながら読み進めることができます。
または、書評などで概要を知って興味のある本を読むこともお勧めです。弊社の書評がそのお役に立てば幸いです。

それでは、一冊目は「知っている本」から読み始めることにして、次回は「次に何を読むべきか」のヒントをご紹介いたします。

(担当:瀧川 仁子