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Wordはいわゆる「ワープロ」と呼ばれることが多い、文書作成ソフトです。しかし2003までのバージョンでも、文字入力や編集だけでなく表や図などオブジェクトの挿入による多彩な表現と様々な機能による文書編集が可能でした。
2007/2010では、それがさらに進化しました。

■ 文書作成機能の強化

◆ テンプレート
[Officeボタン](2007)・ [ファイル] タブ(2010)→ [新規作成] → [テンプレート]
文書の「ひな型」とも言えるテンプレート機能は、さらに種類が豊富になりました。また、Office Onlineのテンプレートはブラウザを起動しないで選択できます。

◆ 文書パーツ
[挿入]タブ
よく使うコンテンツが「部品」化され、豊富なデザインから選択できます。
表紙、ヘッダー/フッター、見出しなどの書式設定済みのパーツが利用できるほか、自分で作成したパーツもクイックパーツとして登録できます。

◆ テーマ
[ページレイアウト] タブ → [テーマ]
文書全体の配色・フォント・効果を統一します。[テーマ] で一度に設定できますが、[配色] [フォント] [効果] 個別の設定も可能でさらにバリエーションが拡がります。

■ 視覚的表現の強化

◆ 表の編集
[挿入] タブ → [表]
表を挿入すると編集 [表ツール] が表示され、[デザイン] タブで表のスタイルを設定できます。罫線や塗りつぶしのほか、配色やタイトル行・集計行等のスタイル設定なども可能です。
(従来の[罫線] → [表のオートフォーマット]に相当)
[レイアウト] タブで、行列の挿入やセルの結合・分割、文字列の配置、計算式等の編集を行います。
(従来の[罫線]メニューに相当)

また「Office2007/2010のご紹介」でも触れましたが、下記の機能も表現力豊かな文書の作成に役立ちます。
・新しいワードアート([挿入] タブ → [ワードアート]) ※ワード2007は2003までと共通の旧ワードアートになります
・SmartArtグラフィック([挿入] タブ → [SmartArtグラフィック])
・図の編集機能強化

■ 文書編集機能の強化

◆ 文書の比較
[校閲] タブ → [比較] または [組み込み]
二つの文書の相違点の比較(変更を新規・変更前・変更後のいずれかに反映)、または組み込み(両方の相違点を全て新規文書に組み込む)を行います。
2003までは比較する文書両方を先に開く必要がありましたが、2007からは機能の中で文書を選択できるようになりました。[組み込み] は、2007以降の新機能です。

◆ 差し込み印刷
[差し込み印刷] タブ
メイン文書に別のファイルの内容を部分的に差し込んで印刷を行う機能は、従来ツールバーや作業ウィンドウなどに分かれていましたが一つのタブにまとめられ作業がしやすくなりました。

主な新機能や強化点を紹介しましたが、まだまだ便利な機能や使い勝手のよくなった機能はたくさんあります。

なお、Wordでよく使う「ページ設定」は、下記にあります。
[Officeボタン](2007)→ [印刷] → [印刷プレビュー] → [ページ設定] グループの右下をクリックしダイアログを表示
[ファイル] タブ(2010)→ [印刷] → [ページ設定]
または
[ページレイアウト] タブ → [ページ設定] グループの右下をクリックしダイアログを表示

(担当:瀧川 仁子

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厳しい経済状況下でバージョンアップを控えてきた企業も、ようやくOffice 2007または2010への切り替えが進みつつあります。また、ご自宅でお使いの方も増えてきました。
2003まではメニューや機能は増えても画面や基本的なメニュー構成は同じため、バージョンアップしてもさほど問題なく使えました。
しかし、2007で画面やメニュー構成が刷新され、名称等も変わりました。2010では多少の変更や機能強化はありましたが、基本的には2007と同様の構成になっています。今までOfficeを使っていた方でもあまりの違いに戸惑い、慣れるまで時間がかかるようです。
スムーズな乗り換えのコツと便利な機能を知ることで、新しいOfficeを使いこなしていきましょう!

■2007/2010の画面
2003までは「メニューバー」と「ツールバー」だったのが、「タブ」と「リボン」に変わりました。

コマンドのカテゴリ分けが変わったため、当初は使いたい機能がどのタブにあるのか探すこともあります。そのときに覚えておくと便利なのが、以前の [表示] [書式] など「名詞」で整理されていたカテゴリではなく「動詞で探す」ことです。
たとえば、ヘッダーとフッターは従来[表示]にありましたが、それらも「挿入」するものなので [挿入] タブにあります。

また、従来は複数のツールバーが画面に表示されたままの状態で作業できましたが、タブでリボンを切り替えるためそのリボン以外の機能を使うためにはまたタブを切り替えなければなりません。その不便さを解消する方法が二つあります。

(1) クイックアクセスツールバー
クイックアクセスツールバーは常に画面最上部に表示されているので、よく使うコマンドをここに登録するとすぐ使えて便利です。

(2) ミニツールバー
ホーム以外のタブを選択して作業中の場合でも、右クリックでミニツールバーを表示して文字や段落の編集が可能です。

■新機能と強化
Office全般で共通する主な新機能・強化を下記にご紹介します。

・リアルタイムプレビュー
マウスでポイントするだけで、効果や設定の結果を選択前に確認できます

・SmartArtグラフィック
従来の図形描画ツールバー内「図表」機能が大幅にバージョンアップしました

・グラフ作成機能をエクセルに統一
2003まではエクセル以外でグラフを作成する際はMicrosoftGraphが立ち上がってきたが、2007よりエクセルを利用してのグラフ作成になり操作が統一されました

・図の編集機能強化
写真や画像にフレームやぼかし効果を付けたり、オートシェイプの形に切り抜きができる2010では背景の削除も可能です

・新ワードアート
2007ではエクセルとパワーポイントは新バージョン、ワードのみ従来と同じ
2010ではワードも新バージョン

■ファイル形式
Office系第一回コラム「Officeのバージョンが違ったら」(→リンク)でも書きましたが、Office2007/2010からはOffice2003までのファイル形式とは異なる「Open XML形式」というファイル形式が採用されました。「Open XML形式」はXML言語を使いデータを構造化したファイル形式で、「ファイルサイズを小さくできる」「データ復元機能強化」といった利点があります。
(なお、上記はワード・エクセル・パワーポイントの話であり、アクセスは異なるファイル形式となりますが、いずれにしても2003とは異なるファイル形式となります)
PDFまたはXPS形式での保存も可能である一方で、マクロを作成した場合は2003までとは異なり「マクロ有効ファイル」形式で保存する必要があります。

(担当:瀧川 仁子

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文字の書式設定の際に「フォント」「ポイント」という言葉が出てきます。「フォント」は文字の書体の種類のことを指し、また「ポイント」は文字の大きさを意味します。
新規作成の際、ワードでは「MS 明朝、10.5ポイント」、エクセルでは「MS P ゴシック、11ポイント」で設定されます。このフォントの種類とポイント数は、編集時に文字ごとに変更可能です。必要に応じてフォントを変更すると、文書の印象を変えることができます。

日本語フォントの種類ですが、大きく分けると主に「ゴシック体」と「明朝体」になります。ゴシック体は角ばった書体、明朝体は止めはねのある書体です。

また、「MS P ゴシック」のようにPの付くフォントは「プロポーショナルフォント」といって、文字ごとに幅が調整されています。そのため文字間隔が詰まり、バランスの取れた体裁の文章を作成することができます。「A」や「B」と「i」や「l」など幅の異なる文字が混在しても、間を詰めて空白ができないよう調整してくれます。
逆に文字の幅が全て同じ「MS ゴシック」のようなフォントを「等幅フォント」といいます。 縦書きの文字を作成する場合は、この等幅フォントを使用すると文字の幅が揃ってきれいに見えます。

ところで、プロポーショナルフォントを適用した文章で、二行目以降の頭落しや文字数の違う項目を同じ幅に揃える際にスペースで揃えようとするとうまくいきません。それはスペースと他の文字の幅が異なるからです。
ワードやパワーポイントでは、頭揃えは「インデント」や「タブ」、異なる文字数を同じ幅に揃えるには「均等割付」という機能を利用して文章の体裁を整えます。

(担当:瀧川 仁子

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「ファイルを送るときはパスワードを付けてください」
「個人情報や機密情報を含むファイルには必ずパスワードを付け、関係者以外が閲覧できないようにしてください」
最近は、個人情報保護や情報漏洩防止の観点からセキュリティに関する規則を定めている会社も多くなってきました。
情報漏洩が企業の命運を絶ちかねない昨今では、効率よりもセキュリティが最優先となっています。セキュリティ対策の一手法として、ワード、エクセル、パワーポイントなどのOffice製品では、ファイルにパスワードを付けて保存することができます。この機能はセキュリティ確保時の最も基本的な方法の一つであり、是非覚えておくことをおすすめします。

Office製品におけるパスワードは2つあります。
・「読み取りパスワード」:ファイルを開く際にパスワードが必要
・「書き込みパスワード」:データを変更する際にパスワードが必要
セキュリティのために使われるのは、「読み取りパスワード」 です。

またパスワードの付け方については、使用する文字種や文字数などについて会社でルールを作っている場合もありますので、ルールがすでに定められている際はルールに従って設定します。

【設定方法】
1) メニューバーの [ファイル](2003・2010)または [Officeボタン」(2007)→ [名前を付けて保存]
2) [ツール] → [全般オプション]
3) [読み取りパスワード] 欄にパスワードを入力し [OK]
確認画面でも再度同じパスワードを入力し [OK]

こうして保存されたファイルは、開く際にパスワード入力のウィンドウが表示され、正しいパスワードを入力しないと開くことが出来なくなります。

またOffice製品以外、例えばPDFファイルや画像ファイルなどにパスワードを付けたい場合は「zip(圧縮)フォルダ」を利用します。
パスワードを付けたいファイルを選択して右クリックし、[送る] → [圧縮(zip形式)フォルダ] で圧縮フォルダを作成します。
作成されたフォルダを開き、[ファイル] → [パスワードの追加] でパスワードを追加できます。

(担当:瀧川 仁子

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Officeで行う業務は、ほとんどが「処理業務」になります。クリエイティブな仕事ではないので、時間をかければいいものができるわけではありません。むしろ時間と手間をかけず、なおかつミスなく遂行することが要求されます。 つまり、「速さ」と「正確さ」がなにより重要となります。そのために覚えておくと便利なポイントをご紹介します。

ポイント1 「日本語と半角英数の入力切り替えは [半角/全角] キーで」
ポイント2 「見た目の編集は最後に」
ポイント3 「便利なキーの活用」

■ポイント1 「日本語と半角英数の入力切り替えは [半角/全角] キーで」
氏名や住所などの日本語入力と、郵便番号や電話番号のような半角英数入力の切り替えの際、IMEツールバーをマウスでクリックして切り替える方をときどきお見受けします。
実はその方法では入力中にキーボードから手を離して操作をすることになり、非効率です。日本語入力のオン/オフには、キーボード左上の [半角/全角] キーの利用をお勧めします。
ただし、外資系の会社など日本語キーボードをお使いでない場合はそのキーがありませんので、ソフトウェア切り替え(画面上のIMEツールバーをマウスでクリック)で日本語入力のオン/オフを切り替えます。

特にExcelでは基本的に日本語入力オフにし、項目名や関数中の文字列など日本語入力が必要なときだけオンにするようにすれば、数字データ入力の際にいちいち [Enter] で確定する必要がなく、またうっかり数式や関数の「=」や「(」を全角で入力してしまうことも避けられます。

■ポイント2 「見た目の編集は最後に」
Wordで文書作成の際に、入力しながら右揃えや中央揃え、またはサイズ変更や下線などの書式設定をしていないでしょうか。また、Excelでのデータ入力中にも、セルの中の文字位置変更(左揃えや中央揃え)や数字の桁区切りカンマの追加をしたくなると思います。
しかしこれらの編集は都度行わず、入力終了後に全体に対してまとめて行うことで作業時間を短縮できます。

■ポイント3 「便利なキーの活用」
マウスでクリックまたはドラッグして選択や範囲指定を行うのは一般的ですが、入力中にキーボードから手を離してマウスを持つのは作業が中断され非効率です。移動(方向キー、[Home] [End])や範囲指定、コピー([Ctrl] + [C])/貼り付け([Ctrl] + [V])などの操作は、キーボードからも行えます。
また、他にも [Tab] や [Ctrl] など便利なキーがあるのでぜひ使いこなしてみることをお勧めいたします。

(担当:瀧川 仁子