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プレゼンにおいて「図・表・グラフ」を用いる際に気をつけるべきポイントはありますか?
図・表・グラフは「見てパッと分かるプレゼン」を行う際のキーポイントの一つですが、使い方に気をつけないと「かえって分かりにくい」イメージとなってしまうことがあります。図・表・グラフを用いる際の基本的な注意点は以下の3つとなります。

1. スライド一枚につき「図・表・グラフは1つ」が原則

図・表・グラフは多くの情報を「圧縮して」表示したものですので、それ自体が理解・解釈に時間がかかるものです。そのような図・表・グラフを一枚のスライドの中に複数盛り込んでしまうと、情報の理解や解釈が余計に難しくなります。図・表・グラフは「スライド一枚につき1つ」を原則とすることをおすすめします。

なおその際は、フォントの大きさにも気をつけると良いです。30ポイント以下のフォントサイズでは文字数が多くなるため、「見てパッと分かる」ものではなく「読ませる」内容になってしまうことが多くなります。そのため、原則としては30ポイントよりも大きいフォントを用いることを意識すると良いと思います。

2. 表の項目は「最大6つ」(=2×3 もしくは 3×2)が原則

表を用いる際は、一つの表で説明する項目(要素)数にも注意する必要があります。「見てパッと分かる」ことを考える際の一つの基準は「人間の短期記憶量」ですが、これは「5プラスマイナス2」と言われていますので、表の項目数もこの範囲に収めた方が良いです。一般的には、「見てパッと分かる」状態の表の項目数は「4(=2×2)」もしくは「6(=2×3 もしくは 3×2)」となります。
(なお、この数値には表の「見出し」は含みません。表の実際の項目数で考えていただければと思います)

これ以上の情報量が必要と思われる場合には、まずは「本当に必要かどうか」「さらに絞り込むことは出来ないか」を考え、絞り込みがどうしても難しい場合には、表を分割することを考えた方が良いと思います。

3. 図・表・グラフには「解釈の違い」が存在することを意識する

最初のポイントでも述べた通り、図・表・グラフは多くの情報を「圧縮して」表示したものです。これにより「見てパッと分かる」情報整理が可能となりますが、情報を圧縮したことの裏返しとして、その「解釈」や「注目ポイント」が聞き手によって異なってしまう可能性も生じることを同時に意識する必要があります。言い換えれば「自分自身が伝えたいこと」と「相手が図・表・グラフを見て理解したこと」は異なる可能性があるということです。

そのため、図・表・グラフを用いる場合は、口頭での補足が必須となりますし、内容的に相手と自分の間での解釈の違いが発生することが許されないポイント(話の冒頭での共通前提の確認など)では、逆に「図・表・グラフを使わない」ようにすることも重要です。

以上3点の基本的な原則を意識することで、図・表・グラフを効果的に使用することが可能となります。プレゼンの際の注意点として、是非押さえていただければと思います。

(担当:佐藤 啓