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プレゼン資料を作成することになったのですが、一般的にはどの程度の分量を用意すればよいのでしょうか? 全く見当がつかないので、困っています。
プレゼン資料のボリュームですが、基本的には

  • プレゼンの持ち時間
  • 一枚当たりの情報量

この2点で決まります。殆どのプレゼンには持ち時間がありますから、持ち時間を超えるようなボリュームの資料を用意するのは準備の効率や説明の妥当性から考えて避けるべきですし、話す速度や理解のしやすさを考えた場合には一枚当たりの情報量にも気を配った方が良いです。

私はこれらの点について、2つの数字を覚えておくことをおすすめします。

  1. スライドは「1枚1分」を目安とする
  2. 1分間に話す分量は「最大でも300文字、標準では250~260文字」を目安とする

スライド1枚の説明に要する時間については様々な意見がありますが、私はまず基本として「1枚1分」という感覚を身に付けることをおすすめします。1枚1分という数字は自分自身でも覚えやすいですし、話を聞いている側にも適度なテンポとなりますので、話に集中することが出来ます。

全体の枚数で考えた場合には多少間引いておいた方が調整をしやすくなりますから、例えば10分の持ち時間であれば8-9枚くらい、15分であれば12-13枚くらいと考えておくと、分かりやすいと思います。このようにまずは「枚数の枠」を決めてしまうことで、大まかなボリュームが把握しやすくなります。

次に、スライド1枚にどの程度の説明を盛り込むかですが、私は「口頭での説明(=原稿)」レベルで「最大でも300文字、標準では250~260文字」程度とすることをおすすめします。

この「1分間で300文字」というのは、NHKのアナウンサーの方が1分間のニュース原稿を読む際の標準的な速さです。ただし、実際にNHKニュースを観てみると、思ったよりも「早口」であることに気づくと思います。プレゼンの際は多少ゆっくり目に話をした方が理解がしやすいですから、2割程度遅くするイメージで、250~260文字程度を標準として考えると良いと思います。

実は、この「250~最大300文字」という分量は、原稿を書いてみると「非常に少ない分量」であることが分かります。実際にプレゼンは「時間が短ければ短いほど難しい」というのが私の実感です。時間が長ければ冗長な説明もある程度は許されますが、時間が短ければ自分が伝えたいことを極限まで圧縮しなければなりません。

従って、1枚当たりのスライドに盛り込める情報量自体も、実はさほど多くはありません。口頭レベルで250~300文字ということですから、箇条書きでは3行程度、表やグラフであれば1枚が限度でしょう。これに口頭での説明を追加して、それぞれのスライドが完成することになります。

物事には「枠を取り払って」考えるべきことと、逆に「枠を決めて」考えるべきことがあります。プレゼンの場合は「時間」という枠が決まっていることが殆どですから、まずは「全体の枚数」という枠を決め、さらに「1分間で話す内容の枠」も決めることで、ボリュームは自ずと決まると思います。是非参考にしていただければ幸いです。

(担当:佐藤 啓