前回は、「読みやすい本」のヒントをご紹介いたしました。
ある程度内容がわかっている本なら、読み慣れていなかったり時間がない状況でも挫折せずに読み進むことができるのでお勧めです。
ではその本を読み終わったら、次に読む本の選択です。
まず、お勧めは「続き」を読むことです。
同じシリーズの本では、主人公や登場人物が重なり世界観を同じくするため、前回読んだ本の知識が活かせて読みやすくなります。
たとえば、「オレたちバブル入行組」と「オレたち花のバブル組」は、ご存じの通りテレビドラマ「半沢直樹」の原作です。
この他に、単行本化された第3作「ロスジェネの逆襲」と現在連載中の第4作「銀翼のイカロス」があり、主人公が組織内外の人間関係や逆境を戦い抜く姿がシリーズを通して描かれています。
まずはテレビで興味を持ったので一冊目を読む、面白かったので二・三冊目を読むという楽しみ方ができます。
同じ著者の別の本を読むのもお勧めです。
映画「永遠の0」は、同名の原作本があります。また、同じ著者のベストセラーとして「海賊と呼ばれた男」も有名です。
どちらも人間ドキュメンタリーの体裁をとりながらも登場人物と時代背景が生き生きと描かれ、彼らが作ってくれた今の日本で、私たちの生きる意味を、あらためて考えさせられます。
もう一つのお勧めは「知識を深める」ことです。
その本の時代背景や人物についての資料になるような本を併せて読むと、ストーリーや地名、登場人物の人柄等についての知識を得ることができるため、物語世界をさらに重厚に感じることができるようになります。
たとえば、昨年公開の映画「清須会議」にも同名の原作本があります。
もちろん史実の清州会議を基にしていますので、柴田勝家や羽柴秀吉など登場する戦国武将について詳しい方も多いかと思います。
今まで興味がなかったためよく知らない方でも、映画や本で親しみがわいたら、ついでにこの時代を舞台にした小説や解説書に目を通してみてはいかがでしょうか。
この分野の書籍は特に多いので、さまざまな楽しみ方ができます。
こうして何冊か読んでいくうちに読むこと自体に慣れてきてスムーズになり、「次は何を読もうか」と楽しむ余裕も生まれて来るかと思います。
では次回は、「読んだ本をさらに楽しむ」ためのヒントをご紹介いたします。
(担当:瀧川 仁子)