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前々回のWeb系ブログコラムでは「既存サイトに新規バナーを追加する」際に検討すべき要素として「色の識別性」ついてお話ししました。今回はシリーズの第4回目として「文字の可読性」について説明したいと思います。

文字の可読性とは、文字の読みやすさのことです。一般的に白い背景色に黒い文字が最も読みやすいとされています。白黒以外の色の組み合わせはコントラストが減少するため、可読性が下がり読みにくくなる場合があります。読みにくい文字はWebサイトのコンテンツの理解を妨げたり、読み手にストレスを与える可能性があるため、文字を配置する場合には文字色と背景色に気を配り、双方の間で十分なコントラストを確保することが重要です。
コントラストについては、「見やすさをコントロールする」のコラムでお話ししたように、コントラストは「色の明るさの差」を意味します。
今回は具体例から文字の可読性を上げるポイントをついて見ていきたいと思います。

Hodogaya Chemical Co.,Ltd.

背景にグラデーションや写真を配置する際、背景色が一色に定まっていないために文字色のコントラストが部分的に低くなる場合があります。その場合、文字に影をつけたり、縁取りを行うなどの装飾を追加することで充分な可読性を確保できます。
ただし、装飾を強調しすぎるとコントラストが強すぎるために却って可読性を下げる場合もあります。装飾を追加する場合は少しずつ影などを適用していくと、イメージ通りのコントラストを得やすいでしょう。

docomo.com

文字を大きく、文字を太くすることによって、文字の可読性が上がります。大きめの文字を配置する場合、次に来る文字は小さく押さえることで、メリハリが付き全体の閲覧がスムーズになります。
上の例では太い文字の周囲の余白を広めに取ることで、すっきりと読みやすくなっています。

dwango

会社情報、経営方針などのボタン画像に使用されている青色が、左上のロゴで使用されている青色と比べてやや暗い色になっていることがポイントです。
ボタン画像では白文字のテキストに、ロゴの青色よりも明度を下げた暗めの青色を使用することで、テーマカラーである青色のイメージを伝えつつも、文字に充分な可読性を与えています。

このように、Webサイト全体の統一感を演出するために、ロゴなどで使用する色と画面上の色を揃える方法があります。読みやすい文字の大きさや太さが確保できるのであれば、特に可読性に影響はない方法ですが、文字は小さくなればなるほど、細いフォントを使用すればするほど可読性は下がります。
文字の大きさなど表現に制限がある場合は、背景色や文字色にやや暗くしたテーマカラー色を使用することで、コントラストを与えることができ、可読性の向上を実現する方法が有効になります。背景色や文字色は多少変更しても、全体のイメージに大きな影響を与えません。文字を配置する場合は可読性を確保することが優先順位としては1番目となりますので、文字のサイズによっては色の明度を調整して可読性の向上を考えることが大切です。

以上の例に示しましたように、可読性を考えた文字配置を心がけることで、読み手にストレスなくメッセージを伝えることが大切です。今後にお役立ていただけましたら幸いです。

(担当:斉藤 万幾子

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「RDBMSの機能を100%活かしたいならSQLを学ぶべし。」
「SQLを使いこなすためにはサブクエリーを学ぶべし。」

私はデータベース関連のセミナーにおいて、常にこの様なお話しをしています。
そこで、今回もSQLのサブクエリーを使用して、下記のようなデータを集計する方法を紹介しましょう。

まずはコチラのサンプルファイルをダウンロードし、ファイルを開いてみてください。

「服用履歴」テーブルは「誰が」「いつ」「なんの薬品を服用したか」を管理している履歴テーブルです。
このテーブルからX氏が服用している薬品が何種類あるか集計してみましょう。

下記のSQLで集計できます。

SELECT COUNT(薬品) AS 種類の数 FROM (SELECT DISTINCT 薬品 FROM 服用履歴 WHERE 人物 = 'X') AS Alias;

「サンプルのクエリ1」をわかりやすく記載すると、以下の様になります。

SELECT 表示したい列 FROM ここから

このSQLのポイントは「ここから」にテーブルではなくサブクエリーを挿入している事です。
これによりサブクエリーで抽出したデータに対して、SELECT(選択)が実行可能となります。

次に、このSQLを応用して、人物別に服用している薬品が何種類あるか集計してみましょう。
(サンプルのクエリ2)

SELECT 人物,COUNT(薬品) AS 種類の数 FROM (SELECT DISTINCT 人物,薬品 FROM 服用履歴) AS Alias GROUP BY 人物;

Accessのデザインビューによるクエリでは、このような集計はできません。

なお、このSQLはAccess用に作っているものなので、RDBMSによっては動作しない製品もあるのでご注意して下さい。

そこで、最後にもう一度。
「RDBMSの機能を100%活かしたいならSQLを、そしてサブクエリーを学ぶべし!!」

(担当:奥田 英太郎

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Accessでフォームやレポートをデザインビューで作成する際に出てくる「用語」について、前回は「セクション」と「コントロール」をご紹介いたしました。

フォームやレポートには、元になるテーブル(またはクエリ)のデータが表示されます。
また、フォームに入力したデータは、テーブルの結び付けられたフィールドに格納されます。
今回は、フォームやレポートを元テーブルと結び付けている「レコードソース」と「コントロールソース」をご紹介いたします。

◆レコードソース

フォームやレポートが、「どのテーブル(またはクエリ)」と結び付いているかを設定します。
レコードソースが設定されると、そのテーブル(またはクエリ)にあるフィールドがフィールドリストに表示されます。
フォームやレポートの左上にあるハンドル(ルーラー表示状態でのみ選択可能)を選択し、フォーム(またはレポート)全体のプロパティで設定します。

◆コントロールソース

それぞれのコントロールが、「どのフィールド」と結びついているかを設定します。
フィールドリストから追加した場合は既にコントロールソースは設定されていますが、新規でコントロールを追加する際はコントロールソースの設定が必要となります。

(担当:瀧川 仁子

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ビジネスパワーアップコラム<ロジカルシンキング編> 第十六回

前回のロジカルシンキング編コラムでは、順序の原則を構成する3つのルールのうち、「構造順」についての説明をしました。構造順とは簡単に言えば「エクセルの並べ替え」と同じようなイメージの順序指定であり、その際のキーポイントは、

・構成する各要素がMECEであること
・事象が現れる順序、もしくは数値化できる場合は昇順もしくは降順で並べること
・プロセス(=フローチャート)が存在する場合は、その順序を適用すること

ということでした。「北→南」「左→右」「大→小」「高い→安い」「重い→軽い」等については、場合によっては「思い浮かんだ順に」表記してしまう可能性もありますので、「比較可能な場合」や「プロセスが明確に存在する場合」の順序については、「構造順」を改めて意識することが重要でした。

今回のコラムでは、順序の原則を構成する最後のルールである「重要度順」についての説明をしたいと思います。

重要度順の基本的な考え方はその言葉通りで「重要なものから順番に並べる」こととなります。すなわち、

・構成する各要素がMECEであること
・要素間には意味合い上の類似性もしくは関連性が存在すること
・上記2点が成立する際に、重要度の高い順から並べること

これらの点が重要度順を考える際の基本的なポイントとなります。

ただし、重要度順を考える際には、「誰にとって」重要なものであるかを考えること、言い換えれば

重要度を判断する基準

を常に意識する必要があります。

例えば、プレゼンにおいてある提案を行うとしましょう。自分自身は「品質」「コスト」「納期」に関する説明を行う予定であり、その中でも「品質」に力点を置いて話をしたいとします。ところが、相手方の一番の関心事が「コスト」だったら、話がかみ合わなくなってしまう可能性がありますね。

この点から分かるように、重要度を判断する基準は「相手方にある」点を認識することが重要度順を考える際の一番のポイントとなります。
言われてみれば当たり前の話に感じるかもしれませんが、実際のケースでは「自分が最も関心のあること」や「自分が最も伝えたいこと」を「重要」と考えてしまうこともよくあります。

このような「行き違い」を防ぐための最も効果的な方法は「相手の疑問を予測する」ことです。重要度を判断する基準が相手方にあるのであれば、相手が最も疑問に思う内容こそが、裏返せば相手にとって最も重要なポイントとなります。相手の疑問の予測方法については、第四回のロジカルシンキング編コラムにて説明をした通りですが、「話の順番を決める」上でも相手の疑問を予測することが非常に重要な役割を果たすことを、改めて認識していただければと思います。

以上が重要度順を考える際のポイントとなります。重要度順も前回の構造順と同様、普段から意識せずに使用している順序思考ですが、大切なポイントは

重要度を判断する基準は「相手方にある」

ことになります。この点を是非意識して、重要度順を検討していただければと思います。

ここまでの3回のコラムで「時系列順」「構造順」「重要度順」の考え方を説明してきました。論理的な順序構成はこれら3つのルールの「いずれか」を適用することで可能となることは第十三回のロジカルシンキング編コラムで説明した通りですが、これらの順序のいずれかを「適用可能」であるためには、各構成要素が正しくグループ化されている必要があります。

言い換えれば、もし、ある論点グループの順序構成を検討した場合に、「時系列」「構造」「重要度」のいずれも適用できない、もしくはグループ内の一部にしか適用できないのであれば、その論点グループはそもそも「グループ化」が正しく行われていない可能性が高くなります。例えて言うならば、果物のグループを考える場合に、「りんご」「なし」「みかん」「くるま」をピックアップしている状態です。りんご・なし・みかんまでは順序を考えられると思いますが、ここに「くるま」が存在すると論点グループとしては成立しなくなってしまいます。このように、順序構成を考えることは「論点グループの妥当性確認」を兼ねていることも併せて押さえていただければと思います。

第十三回のコラムでも述べた通りですが、個別の論点に関する「掘り下げ」「広がり」「関連づけ」をきちんと行っていたとしても、「説明の順序」が適切でなければ、全体としての効果は大きく損なわれてしまいます。ですので、「論理的な話の構成を考える」上では、「順序」が非常に大切な役割を果たすことを改めて意識していただければと思います。

(担当:佐藤 啓

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色の持つ効果についてのシリーズ第四回目のWeb系コラムでは「主張する赤」を使用する際のポイントについて見てきました。今回は緑を使用する際のポイントと具体例について説明したいと思います。

緑は自然のイメージを表すために使用されます。明るい緑は、若葉や新緑などを連想させるため、成長を感じさせる印象になります。一方で暗い緑に近付けば近付けるほど、成熟した木々のイメージから安定感や伝統を感じさせる印象になるでしょう。また、緑はアイレストグリーンと呼ばれ、目に優しい色とされています。従って病院や工場などストレスを軽減させたい場所で、緑がよく使用されます。

緑は自然だけではなく、安心、安全のイメージも表します。例えば信号機や非常口階段があることを示す標示には、緑が使用されています。Webでは許可や了解の意味で使用することも可能です。一方で警告や禁止を与える色としては赤が挙げられます。

以下の具体例から緑を使用するポイントを見ていきましょう。

日本ピュアテック株式会社
明るい黄緑は若葉や新緑のイメージで、これから成長していく様子や爽やかな印象を受けます。背景色に白を使用することで、全体がより明るくなり印象が強くなります。
ただし、明るい黄緑と白はあまりコントラストが高くない組み合わせの配色です。このままでは少し頼りない印象になってしまうので、それを補うためにフォントをコントラストの高い黒に設定し、さらにフォントサイズを大きめにすることによって、全体のコントラストを上手に保ち、配色を引き締めています。

八女市奥日向神キャンプ場
キャンプ場のサイトですが、自然や環境をイメージできる緑が全体のテーマカラーとして選ばれています。
自然の色としての緑を選択する場合には、自然の中であまり見かけないような彩度の高い緑は避けるようにするのがポイントです。

Cathay Pacific
濃い緑が広い面で使用され、安全や伝統といった印象を与えることができます。ロゴでも使用されている、やや彩度を抑えた赤が緑とのコントラストとなり、美しい配色となっています。全体の色数を絞りこむことによって、色自体が与えるイメージが強力になります。

(担当:斉藤 万幾子