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Office2013が発売されてから半年以上が過ぎ、実際にお使いの方も増えてきたようです。
新しく追加された機能や変更になった機能はありますが、Office2010とメニュー構成やファイル形式はさほど変わらないため、現在Office2010をお使いの方にとって、移行はスムーズであると思います。

ただし、アプリケーションを立ち上げたときに、最初に表示される画面がこれまでと異なるので、以前と同じようにならないのか思われている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はOffice2013へのスムーズな移行のために、Office2013の起動時の画面を変更する方法をご説明いたします。

Office2013を新規で立ち上げると、標準では「スタート画面」が表示されます。以前のバージョンに当てはめると以下の役割になります。

 (2010)[ファイル]タブ→[新規作成]
 (2007)[Officeボタン]→[新規作成]
 (2003)メニューバーの[ファイル]→[新規作成]

そこで、Office2010までと同様に「白紙の画面(Word:白紙の文書、Excel:空白のブック、PowerPoint:新しいプレゼンテーション)」から開くようにするためには、設定変更を行う必要があります。
下記の設定変更を行うと、次回起動時は「白紙の画面」から開きます。

1. スタート画面から下記を選択して新規作成画面を開く
  「白紙の文書」(Word)
  「空白のブック」(Excel)
  「新しいプレゼンテーション」(PowerPoint)

2. [ファイル]タブから[オプション]を選択し、[基本設定]→[起動時の設定]

3. 「このアプリケーションの起動時にスタート画面を表示する」のチェックを外し、[OK]ボタンをクリック

今回は起動時の画面についてご説明しましたが、Office2013へのスムーズな移行のためのヒントを、順次ご紹介して参ります。
効率よく業務を進めるためのお役に立てば幸いです。

(担当:瀧川 仁子

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【書籍名】ハッカーと画家(コンピュータ時代の創始者たち)
【著者】Paul Graham
【出版社】オーム社/開発局

人生に衝撃を与える書籍と出会える機会は多くありません。一度手に入れたら何度も読み返して、自分の人生に生かして行きたいと私自身は思っています。今回、そんな斉藤による「人生に衝撃を与える書籍」シリーズの第一弾をお届けします。

「ハッカーと画家」という少し謎めいたタイトルですが、これは、「私が知っているあらゆる種類の人々のうちで、ハッカーと画家は一番よく似ている」と著者ポール・グラハム氏が考えるためです。タイトルにある「ハッカー」とは、著作では「優れたプログラマ」と定義しています。

この本は、現Yahoo!shoppingの前身、ブラウザをインターフェースに使った最初のWebアプリケーションを作ったポール・グラハム氏の自叙伝です。構成は20弱のエッセイで、オタク、思想、富の増やし方、芸術、ベンチャー、プログラミングと多岐にわたったトピックを通じて、天才ハッカーの頭の中を知る事ができます。
副題に「コンピュータ時代の創始者達」とあるように、多彩なトピックの要所要所には、Appleを立ち上げる前のスティーブ・ジョブズやマイクロソフトのPR事務所から許可が出なかったため警察署から提供された写真が使われたビル・ゲイツなど、名だたる創始者達の若かりし頃のエピソードも数多く登場します。そのため、コンピュータに関するちょっとした小ネタ作りに、もってこいです。

この本を通じてポール・グラハム氏が述べている事は1つで、それは「試行錯誤しつつも、ものを創ることの素晴らしさ」です。試行錯誤を端的に表したエビソードとして以下があります。

「私は(略)・・・完璧なプログラムを辛抱づよく書き上げてこれで間違いないと確信するのではなく、とんでもなく出来損ないのコードをとにかく出してしまって、徐々に叩き直して形を整えることが多い。デバッグというのはタイプミスや見落としを拾うための最終関門だと教わった。私のやり方だと、プログラミングはデバッグの積み重ねのようなものだ」

天才と呼ばれるハッカーであっても、最初は出来損ないのコードを創る、という事実に親しみを感じました。また出来損ないのコードを完成まで押し上げる作業の間、熱い鉄を叩いて強くする刀鍛冶職人のように、情熱を失わずにコードと向き合う姿勢に職人魂を感じます。
私自身、現在Webアプリケーションの開発業務を行っていますが、最初考えた通りにプログラムが組める事はあまり多くなく、「出来損ないのコード」を何度か書き直して出来上がることの方が多いという現状があります。もちろんポール・グラハム氏のような天才と比べるようなレベルの話ではありませんが、もの創りの端くれとしては、情熱を持ってとにかく果敢にコードを書いていきなさい、という勇気をもらっています。

皆様も、自身のちょっとした情熱に気がつく時が、日常の業務中などであるのではないでしょうか。例えば、ちょっとしたショートカットやテクニックを覚えて使うと楽しく感じたりしますし、腰を据えて勉強した技術を使えば新しい世界が見えてきたりしますよね。そのような面白さは忙しい日常の中でつい忘れがちになりますが、本書を通して「ものを創る人」が享受する深い喜びを追体験して、自身の情熱の出所を再確認してみてはいかがでしょうか。

今や20版を越すというこの名著、何かを創りたいと考える全ての人におすすめです。

【ジャンル】コンピュータ思想、伝記

(担当:斉藤 万幾子

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【書籍名】戦略思考トレーニング
【著者】鈴木 貴博
【出版社】日本経済新聞出版社

「戦略」と「戦術」の違いとは何でしょうか?

戦略と戦術を説明するために、最もわかりやすい例は、サッカーや野球などのスポーツチームの監督と選手に当てはめて考える事でしょう。

そこで、サッカーを例に考えてみます。サッカーの監督であれば、誰をピッチに立たせるのか、どの様なフォーメーションを組むのか「考える」のが役割ですが、サッカーの選手は与えられたポジションの中で、どのように動いて得点に繋げるか、相手の得点を防ぐかを「行動で示す」役割になります。これを「戦略」と「戦術」の言葉を使うと、「監督が戦略を考え、選手は戦術を披露する。」と
置き換えられるでしょう。

どちらが、重要かという観点はとても難しいですが、戦術で戦略をひっくり返すのはとても難しいと言えます。

引き続きサッカーの例で考えると、どれだけ素晴らしいサッカー選手が居ても、監督が起用しなければ、その素晴らしさを発揮できませんし、どれだけ得点力のある選手であっても、守りの要であるディフェンダーに起用されれば、その得点力を発揮するのは難しいと思います。

それでは、皆さんのビジネスに置きかえて考えるとどうでしょうか?サッカー監督のように、人の起用や作業の割り振りなど、マネージメント的な部分は「戦略」と置き換えることは容易だと思いますが、それ以外にも商品やサービスの販売戦略・開発戦略、会社や部署の今後の戦略など、いろいろと置き換えて考えることが出来るでしょう。

それでも「戦略」と言われると、どうしても経営戦略や部門戦略などの大きな話に捉えられてしまい、自分には必要ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「戦略」は日々のあらゆる行動の中に当てはめることが可能です。

もっとも小さな個人の単位で考えると、日々の業務を実施するうえで、時間配分や作業の優先順位を決めるのが戦略的思考と言え、それぞれの作業をいかに短時間で、質の良い作業とするのかが戦術を披露することに繋がります。
このように、それぞれの立場や状況によって、戦略や戦術の考え方は異なってくることと思います。

そこで、AccessやExcelなどのOfficeの使い方や、プログラムの方法など、目の前の業務を効率的に実施するため(戦術を実行するため)の技術を学ぶことも重要ですが、少し違った視点で戦略的な考え方について鍛えてみてはいかがでしょうか?

本日ご紹介する「戦略思考トレーニング」は数ある「戦略」と名のつく本に比べ、とても薄くて小さな本となっており、クイズ形式で頭の体操をしながら気軽に読み進めることができます。そのため、戦略的思考を勉強するために読む!と意気込まずに、まずは気軽にお手に取ってみてはいかがでしょうか。

「いろいろな発想をしてみる」、「数値を使って理論的にざっくりと考えてみる」など、頭の体操だと思って、通勤中の電車の中や仕事の休憩時間にでも、気分転換に読んでみると、目の前の業務が違う角度から見えてくるかもしれません。

本コラムが、読者の皆さんの日々の業務に役立てば幸いです。

【ジャンル】ビジネス、経営学、キャリア
【関連・お勧め書籍】戦略思考トレーニング2、戦略プロフェッショナル

(担当:小口 真己

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前回のWeb系コラムでは、Webサイト制作に関する全体のワークフローについてご紹介しました。今回は、Webサイト制作における最初の段階で実施する「現状分析」について見ていきたいと思います。

現状分析の段階では、最初に「情報収集」を実施します。そこで、今回は主に3つの方法として「1.他社と自社のWebサイト比較」、「2.アクセス解析」、「3.検索サイトからのキーワードチェック」をご紹介します。

1.他社と自社のWebサイトを比較する
同業他社のWebサイトや、異なる業界でも似たようなお客様をターゲットとするWebサイトと、自社のWebサイトを比較することで、Webサイトの構成を考える際に具体的なイメージを持ちやすくなります。

2.アクセス解析をする
アクセス解析とは、自社Webサイトにアクセスする人の動向を知ることです。有名な無料のアクセス解析ツールには、Webサイトに組み込み使用するGoogle analyticsがあります。
アクセス解析を行うことで、アクセスした人の何%が成約(商品の購入などに至ること)しているか、何時何曜日にアクセス数が上がっているかを情報として取得できます。他にも、検索サイト経由で表示されたページ以外は閲覧せずにWebサイトを去った来訪者の割合などもわかります。

また、ある来訪者が目的と思われるページにたどり着くまでに迷うことがないかをチェックすることも重要なポイントです。現状のWebサイトのレイアウトやデザインがわかりやすいかどうか、ユーザービリティに関するチェックを行い、問題点を発見したら次の「課題の設定」へ反映させます。

Webサイトの来訪者の情報は、「現状分析」の次の段階となる「企画」で効果的な戦略を考える際にも有用です。
例えばalexa.com(Webサイトがどれだけの人に見られているかが確認できるWebサイト)で調べると、Yahoo! JAPANにアクセスした人が一日当たり約15分間Webサイトに滞在し、20%弱の割合の来訪者は検索サイトからたどり着いたページ以外に進むことなく去るという情報(掲載日現在)を簡単に確認することができ便利です。

3.キーワードチェック
キーワードチェックとは、来訪者がYahoo! JAPANやGoogleなどの検索サイトで何らかのキーワードによって自社サイトを調べる場合に、きちんと表示されるようにWebサイトが設計されているかをアクセス解析ツールなどを使用して確認することです。
例えば、何のキーワードでWebサイトを検索して来訪したのか、主力となる商品を検索サイトで調べた場合、競合と自社のWebサイトの順位の差があるかどうか、などを調べます。検索結果の順位はWebサイトを閲覧してもらうために大切な指標の1つですが、最も重要なのは目的を持ってWebサイトにアクセスした人に「成約してもらう」(アクションをおこしたもらう)ことです。
必ずしも検索サイト上の順位と実際の成約率は一致しないことに注意が必要です。Webサイトの運営段階では、1000人の来訪者がくれば何%の割合で成約する、という数値が出てきますので、成約率(コンバージョン率と呼ばれます)を増やすために、Google adwordsなどを利用してWeb上に広告を掲載し、来訪者を増やす方法もあります。

上記3つの方法で情報を収集する以外にも、ユーザーに今のWebサイトの使い心地を尋ねる方法があります。「情報を探していた際、どこかでつまづいた点はないか」、「Webサイトを開いた時にどういった印象を受けるか」といった問題点の有無や検証には、実際に尋ねる方が早い場合もあります。直接アンケートなどを取る場合は、「来訪者が、どのような時に、何を求めてWebサイトに来るのか」が最も重要な情報になります。従って、この情報を適切に聞き出せるような質問を準備すると良いでしょう。

「情報収集」の次の作業となる「課題の設定」は、「情報収集」で取得した情報を分析して解決すべき課題を明確にします。「課題の設定」には通常のマーケティングの手法を存分に活かすことが可能ですので、ここでは詳細な説明は省きますが、「情報収集」から「課題の設定」へつなげて何らかの対応策を打つことで、Webサイトを改善し続けるための良いサイクルを生み出すことができるでしょう。

今回は「現状分析」を行う3つの方法をご紹介しました。次回は「企画」の段階についてお話ししたいと思います。
皆様のお役に立てば幸いです。

(担当:斉藤 万幾子

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【書籍名】まんがで学ぶ 成功企業の仕事術 アパホテル
【著者】バラエティ・アートワークス 漫画 /  BookLive 制作協力
【出版社】朝日新聞出版

アパホテルと言えば・・・あの「私が社長です」の顔アップの看板やポスターなどがまず思い浮かぶでしょう。私も、あの派手な帽子の印象しかありませんでした。
しかし、経営者としてビジネスの第一線で活躍しながら大学に社会人入学し大学院修士課程まで修了なさったという記事を拝見して、イメージが変わりました。
また、何の気なしに入ってみたマンションのモデルルーム、なんと社長ご本人が営業活動をなさってるんです!記念撮影にも気軽に応じてくださる気さくな方でしたが、お客様と話しながらローン金額等を電卓に頼らずすぐに概算できる数字に対する強さと、大きな会社でありながら社員一人一人の名前をご存じであることに驚かされました。

そのアパ社長は、もちろん文字通り企業の「顔」として(いろいろな意味で)凄いのですが、実はグループ代表であるご主人こそが「凄い」経営者なのだそうです。
起業して一大ホテルチェーンを築き上げたのは、この「逆張りの発想」(経済の原則に従い、あえて真逆の行動をとる)のご主人の行動力と、奥様の「花ごころのおもてなし」の連携があってこそです。

経営者でなくても、業務の中で何かを決めたり対応する際に「逆張りの発想」の根底にある「原則」に従って判断し、お客様に対しては「花ごころのおもてなし」を実践していくことの大切さなど、気づかされることが多々ありました。

また、読後の心に残るのは、お二人の「努力し、全力で生きる」姿勢です。
勉強をあきらめず50歳にして大学入学、店舗数や売上実績等の目標の達成など、常に高い目標を掲げてチャレンジする姿勢があってこそ、企業も人間も現状維持に留まらず成長し続けるのでしょう。

「凄い人」の話を聞いたり文章を読んだりして「この人だからできたんだ」と感心するのは簡単ですが、それで終わってしまいがちです。
そこで私は、自身を顧み、まずは(高い目標でなく恐縮ですが)一つ一つ目標を持ってチャレンジすることにしました。

皆様も、仕事またはプライベートで「いつかやりたい」と思っていたこと、または「○○だから無理」とあきらめていたことを棚卸して、まずはできることからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【ジャンル】ビジネス、伝記

(担当:瀧川 仁子