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前回のWeb系コラムでは、テーブルタグを使用した最も基本的な構成をみてきました。今回はCSSを使ったテーブルでよく使われるテクニックをご説明いたします。このテクニックを使用することで、画像を使用せずに、簡単に表の「セル」と呼ばれる要素を立体化できます。

以下のサンプルを用いてご説明しましょう。

HTMLのコードは以下です。

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html>
<head>
    <title></title>
    <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8" />
    <link rel="stylesheet" type="text/css"  href="./style.css" />
</head>

<body>
	<table cellspacing="0">
		<tbody>
			<tr>
				<th>サイズ(px)
				</th>
				<th>通称
				</th>				
			</tr>
			
			<tr>
				<td>250×250 
				</td>
				<td>スクエア
				</td>				
			</tr>
			
			<tr>
				<td>200×200 
				</td>
				<td>スクエア(小)
				</td>
			</tr>
		</tbody>
	</table>
	
</body>
</html>

CSSのコードは以下です。

table, th, td{
	    	margin: 0;
	    	padding: 0;
	    	border-collapse: separate; /* ポイント1番目 */
	    	border: none;
	    	border-spacing: 0;
    	}
    	
    	table{
	    	width: 480px;
	    	border: 1px solid #c7c7c7;
	    	font-family: sans-serif;
	    	background: #deefff;
	    	color: #878787;
    	}
    	
    	th{
	    	padding: 0.8em 0.6em;
	    	border-color: #ffffff #e5c693 #c5aa7f #ffffff; /* ポイント2番目 */
	    	border-style: solid;
	    	border-width: 1px;
	    	text-align: left;
	    	font-weight: bold;
	    	background-color: #fffbee;	    	
    	}
    	
    	td{
	    	padding: 0.8em 0.6em;
	    	border-color: #ffffff #8db7e6 #019fde #ffffff;
	    	border-style: solid;
	    	border-width: 1px;
	    	text-align: left;
	    	color: #000000;
    	}

上の表は、セルの上側がオレンジ色の背景色、セルの下側はブルーの背景色で分けられています。前回出ていないHTMLタグの補足をしますと、thタグはセルの中のヘッダーのようなイメージです。セルの一部分だけ色を変えたい場合によく利用されます。

少し境界線の部分を拡大してみますと、上側と下側のセルの「境界線」の配色が異なっていることがご確認いただけると思います。セルを立体的に見せるためには、セルの境界線の色を上下左右で異なる配色に設定する必要があります。これを実現するためのポイントは以下の2点です。

1、border-collapseをseparateに指定
2、border-colorの設定

1番目は、境界線を表示するセルの要素(今回のサンプルでは、tableタグ、thタグ、tdタグです)に対して、border-collapse を separate と指定することです。separate に指定することで、境界線同士が被ることなくきちんと表示されます。従って、境界線の色を上下左右に設定するための準備として1番目の記述が必須となります。

2番目は、境界線の配色を行うことです。上記のソースコードでは border-color の右側に4つのカラーコードが連続して並んでいますが、それぞれ「上側の境界線の色 右側の境界線の色 下側の境界線の色 左側の境界線の色」の順番で指定されています。配色のポイントは、右側と下側の境界線の色をやや暗めの色に設定し、上側と左側の境界線の色を明るめの色に設定することです。これによりセルに光が当たっているような「立体的」な配色になります。今回は背景色を薄めに設定しましたので上下左右の境界線の暗めの色、明るめの色がそれぞれきちんと表示されましたが、背景色が濃かったり境界線の色に近い背景色を設定したりしますと、今回指定した4つの配色が部分的に目立たないこともあります。4つの配色がきちんと表示されませんと立体化の効果も薄れますので、もし背景色に白以外を検討する場合は、背景色と境界線の色のバランスを考えることが重要となります。

今回は境界線の配色を指定することにより、セルを立体化させて表示する方法についてお話しました。設定した境界線の太さはたった1pxですが、この1pxが表のクオリティーを上げることをご確認いただけたのではないでしょうか。ぜひ今後にお役立ていただけましたら幸いです。

(担当:斉藤 万幾子

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PowerPointは「プレゼンテーションツール」です。しかし、もっとよく使用される用途があるのはご存じでしょうか?
実は「簡易なDTPソフト」として広く使用されています。特に文字と共に図形や写真、グラフなどを多用する場合は、WordよりもPowerPointの方が簡単です。
例えば下記のようなドキュメントを作成する際に使われます。

・企画書
・マニュアル
・チラシやポスター
・掲示物

ところで、紙に印刷するための資料を作成する際に留意していただきたいことがあります。
新規作成時の標準画面サイズは「4:3」形式の画面に合わせたものとなっています。A4等の用紙とは縦横比率が異なるため、そのサイズを変更する必要があります。
サイズの変更は下記のメニューから行います。

(2003)メニューバーの[ファイル]→[ページ設定]
(2007・2010)[デザイン]タブ→[ページ設定]

なお、サイズ変更は必ずドキュメントの作成を始める際に最初に設定する必要があります。
文字やオブジェクトを配置した後で変更した場合、用紙の中でのレイアウトやそれぞれのオブジェクトの縦横比まで変わってしまいますのでご注意ください。

PowerPointはプレゼンテーションツールとしてだけでなく、ビジネスの様々なシーンでお使いいただけます。ドキュメント作成の際に上記のコツがお役に立てば幸いです。

(担当:瀧川 仁子

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ビジネスパワーアップコラム<アイデア発想法編> 第三回

前回のアイデア発想法編コラムでは、アイデアを新たに生み出す際の最初の入り口である「問題」の発見方法についてのお話をしました。問題を発見する際には、

・「理想」と「現実」のギャップが問題の根本であること
・「理想」を高く掲げることで、発想可能なアイデアも広がること
・問題の「種」は、日々の生活のあらゆるシーンに存在すること

これらのポイントを押さえておく必要がありました。

今回のコラムでは、アイデアの発想を実際に始める前に必要なもう一つの準備作業である、問題の「掘り下げ」についてのお話をしたいと思います。

「問題」自体の根本は「理想」と「現実」とのギャップであることは前回のコラムで説明をした通りですが、アイデアを発想する上では、この「根本的な問題」の状態のままでは、その問題が網羅している範囲が広すぎて、具体的なアイデアをイメージしにくくなることが多いです。例えば、私自身は最近スマートフォンを買い換えたのですが、スマートフォンを使用する際の大きな問題として「バッテリーの持ち」があります。以前使用していたスマートフォンは、使い方によってはバッテリーが半日で切れてしまうような状況でしたので、この問題は私にとっては非常に切実な問題でした。

この場合、「理想」と「現実」のギャップを「問題」と考えると、例えば、

理想:ヘビーユースの状況でも、3日間充電しなくて大丈夫
現実:半日間しか持たない

という状況のギャップ、すなわち「電池の持ちをあと2日半延ばすには、どうすれば良いか」という点が「根本的な問題」となります。

そこで、この「電池の持ちを2日半延ばす」という点だけから、この目標を達成するためのアイデアの発想を始めたとしましょう。この段階で発想を始めてもいろいろと思い浮かぶことはあると思いますが、制約がなさ過ぎて、思い浮かぶアイデアが発散しすぎてしまうか、玉石混交となってしまう可能性が生じます。あるいは逆に、制約のなさの故にかえって思い浮かばないというケースもあり得ます。

このような場合においては、問題が生じる原因を「掘り下げる」ことによって、アイデアを発想する領域を始めに絞っておくことが有効です。この掘り下げに関しては、ロジカルシンキング編コラムの第8回で採り上げた「縦方向思考の原則」に従い、「なぜ?」または「どのように?」と考えることが基本的なアプローチとなります。今回のスマートフォンのケースであれば、「『なぜ』ヘビーユースの状況で、バッテリーが3日間持たないのか」と考えると、例えば

・バッテリー自体の容量が少ないから
・ハードウェアの中で、バッテリーを多く消費するものがあるから
・ソフトウェアの中で、バッテリーを多く消費するものがあるから

このような「掘り下げ」が可能となります。従って、まずは「バッテリー自体の改善」「ハードウェアの改善」「ソフトウェアの改善」という3つの領域から、アイデアの発想を始めると良いことになります。ちなみに、私自身が最近買い換えたシャープ製のスマートフォンでは「IGZO」という液晶の新技術によって、ハードウェアの中でもバッテリー消費の大きかった液晶の消費電力改善に成功しています。私自身の通常の使い方ですと、一日半程度は充電なしでも大丈夫ですが、使用するソフトウェアによっては通信を頻繁に行うものもあり、そのような場合ですと1日持つか持たないかということもありました。従って、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアの改善、あるいはソフトウェアを使用するユーザー側の使い方の改善等も、今回の場合はアイデアを発想する領域としては有効かと思います。

まとめますと、アイデア発想のスタートとなる問題を考える際には、

・理想と現実のギャップに基づいて、根本的な問題を定義する
・根本的な問題が生じる原因を「掘り下げる」ことで、アイデアを発想する領域を最初に絞り込む

以上2つの作業を行うことが必要となります。

もちろんですが、掘り下げによってアイデアを発想する領域を始めに絞り込んでしまうと、絞り込んだ領域以外のところに存在する可能性のある「よいアイデア」を見落としてしまう可能性も生じます。ですが、多くの場合では、アイデア発想を始める段階で何らかの制約を設けなければ、かえってアイデアが発散してしまうか、あるいは思いつきにくい状況となってしまいます。アイデアの発想においては、制約を生かす必要がある場面と制約を外す必要がある場面の双方がありますが、制約を外す必要のあるケースについてはまた追って説明しますので、今回については「制約を生かす」ことがアイデア発想においては重要だと考えていただければと思います。

(担当:佐藤 啓

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これからシリーズとして見やすい表を作るためのポイントについてお話していきたいと思います。
そもそも表とは何かを考えてみますと、複数の情報をわかりやすく分類して表示するものと言えます。Webサイトでよく使用されることが多い例を挙げますと、会社情報、メニュー表、料金表などがあります。またショッピングサイトなどでは、詳細な商品情報をわかりやすく表示する際にもよく使用されています。Webで表を作成するには、テーブルタグを使用します。

ではテーブルタグを使用した表はどのような構成になっているのか、基本的な部分を確認しましょう。


1 2 3 4
2-1 2-2 2-3 2-4
3-1 3-2 3-3 3-4
<table border="1">
<thead><!--表のヘッダー要素 ここから-->
     <tr><!--行-->
          <td>1</td><!--マス目-->
          <td>2</td>
          <td>3</td>
          <td>4</td>
     </tr>
</thead><!--表のヘッダー要素 ここまで-->
<tbody><!--表のボディー要素 ここから-->
      <tr>
          <td>2-1</td>
          <td>2-2</td>
          <td>2-3</td>
          <td>2-4</td>
     </tr>
     <tr>
          <td>3-1</td>
          <td>3-2</td>
          <td>3-3</td>
          <td>3-4</td>
     </tr>
</tbody><!--表のボディー要素 ここまで-->
</table>

ソースコードの要素を上から順に見て行きますと、

・1行目には表の境界線の設定
・2行目から9行目には表のヘッダー要素
・10行目から24行目には表のボディー要素

大まかにこのような構成になっていることが、ご確認いただけると思います。
上記のHTMLだけでは、見た目はかなり味気ないものになりますね。通常は上記のような構成をHTMLで作成した後、CSSなどを組み合わせることによって、わかりやすい表にするための作り込みを行います。目的にもよりますが、具体的に多くの情報をすっきりと見せるためにヘッダー要素だけ別の色を設定したり、また多くの注目を集めるためにテーブルタグの中に画像を組み込んだりすることもあります。作り込みが行われたデザイン例を以下から見ていきましょう。

1.シンプルなデザイン
amazon.co.jp

フォントの色が黒色のため、文字を見やすくするために(コントラストを高く保つために)背景色を薄い色に設定している点がポイントです。

2.情報量が多いものをすっきりとさせたデザイン
csstablegallery

背景色を交互に異なる色に設定することで行ごとの把握がしやすく、隣り合う行との見間違いを少なくすることが可能です。情報量をたくさん並べるテーブルではぜひ押さえておきたいテクニックです。

3.画像を使用して、リッチに見せるデザイン
fetchapp

画像が追加されることで表に対する注目度が増しますね。

CSSの背景色や境界線の色の組み合わせを変えると、ずいぶん印象が変わってくることがイメージしていただけた事と思います。
商品情報などを載せる場合、情報を載せるテーブルをあえてシンプルに作ることで、近くに配置してある商品画像などのコンテンツをより目立たせる、といった使い方も可能です。シンプルなCSSだけで簡単に作るべきか、それとも画像を使ってアピールすべきかは前もって考えておき、場合に応じて使い分けましょう。今後にお役立ていただけましたら幸いです。

(担当:斉藤 万幾子

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当校ではHTMLやCSS、JavaScriptやjQuery、PHPとさまざまなWeb関連の講座を実施しております。
毎回、多くの受講者が上記の講座を学びにいらっしゃっているのですが、近頃「HTML5」に関する問い合わせが多くなってきました。

HTML5とは、Webの次世代技術になります。正式勧告は2014年頃となり、現在のWebブラウザでは完全対応していません。
この様な背景があるにも関わらず、これ程までに着目されることから、その期待度の高さが伺えます。

このような話題を耳にしただけで、誤解されている方、勘違いされている方が多いのですが、HTML5はただ単にHTML4.01やXHTML1.1のバージョンアップというワケではありません。
HTML5はHTML、CSS、JavaScript等、さまざまなWeb関連技術の次世代技術になります。

特に注目されているのがAPI関連です。
動画の制御、グラフィックの描画、Webストレージ、ファイルアクセス、Web Workers、スマホのハードウェアアクセス等、、、
これらのAPIをJavaScriptで利用できます。

HTML、CSSでも、新たな要素が加わり、古い要素は排除され、整理整頓され使いやすくなっているのは確かですが、HTML5の真骨頂はJavaScriptにあると言っても過言ではありません。

そのため、HTML5を学習するには、まずはJavaScriptを学習する必要があります。

現在、当校ではHTML5の講座開設に向けて準備を進めています。
HTML5の講座は、HTML、CSS、Webの基礎に加えて、JavaScriptができる事を受講のための前提条件として想定しています。

「インスタンスって何ですか?」ではHTML5の理解が難しいためです。

JavaScriptはプログラミング言語です。HTMLやCSSと比べて、修得するにはそれなりの時間と労力がかかります。
きちんと腰をすえてゆっくり学習して下さい。

JavaScriptの学習こそが、HTML5を学習する基礎土台となるのです。

(担当:奥田 英太郎