投稿日時:

今回はJavaの補講をお送りします。

まずは、C言語とJavaのコンパイルについて比較してみましょう。
C言語では複数のソースファイルをコンパイルしてひとつのバイナリコード(exeファイル)を作りますが、Javaでは複数のソースファイルをコンパイルすると、複数のバイトコード(classファイル)が作られます。
そのため、Javaではひとつのアプリケーションを構成するために複数のclassファイルが必要となり、ファイルの管理が煩雑になる場合があります。

そこで使用するのがJAR(Java Archive)です。
JARは複数のバイトコードをひとつにまとめて圧縮する技術になります。

コチラのソースファイルを使用して実演してみましょう。
サンプルの「Source.zip」ファイルには「Main.java」「ClassA.java」「ClassB.java」の3つのファイルが格納されています。

1、Main.javaのコンパイル

javac Main.java

最初に、このコマンドでMain.javaをコンパイルします。
3つのファイルがコンパイルされ、3つのバイトコードが作られます。

2、JARファイルの作成

jar -cf Sample.jar Main.class ClassA.class ClassB.class

次に、このコマンドで「Main.class」「ClassA.class」「ClassB.class」をひとつの「Sample.jar」にまとめて圧縮します。

3、実行確認
これで、圧縮されたSample.jarにてプログラムを実行できるようになりました。
試しにSample.jarだけ別のフォルダに移動して下記のコマンドで実行してみましょう。

java -classpath .;Sample.jar Main

プログラムは実行できたでしょうか?以下が表示できれば実行完了です。

ClassAのメソッド
ClassBのメソッド

このコマンドはプログラムを実行する時に同フォルダ内のクラスと、Sample.jarのクラスも含めるよう設定しています。
クラスパス(classpath)については、またの機会にお送りしましょう。

毎回コマンドで実行すると大変なので、バッチファイルを作成しましょう。
実際の現場では、このバッチファイルとJARファイルを組み合わせてJavaを使用している事が多くなります。

(担当:奥田 英太郎

投稿日時:

Excelを使用していて、別々のセルに入っているデータを、繋げて一つのセルで表示させたいということはないでしょうか。
たとえば、「都道府県と市区町村以下の列が分かれているのを一つにしたい」「請求書番号と枝番をつなげたい」という場合です。
そのような場合は、文字列連結演算子「&(アンパサンド)」を使うと便利です。
「&」は算術演算子(「+(プラス)」や「-(マイナス)」など)と同様、「= [セル1] & [セル2]」のようにつなげたいセルの間に使用します。

また、セルに入っているデータに追加したい文字があれば「"(ダブルクォーテーション)」で囲むことで「&」を使用して、つなげて表示できます。

実はこの「&」、ExcelだけでなくAccessのフォームやレポート上でコントロールの内容を連結して表示する場合にも同様に使用できます。

ところで、「&」で連結したデータはExcelの表示形式では「文字列」として表示されるので、注意が必要です。
たとえば「10」と「20」を足した場合は「10 + 20 = 30」ですが、「&」を使用すると「10 & 20 = "1020"」となり、セルには文字列として表示されます。
連結した結果を文字列ではなく計算に使用したい場合は、「= ( A2 & B2 ) * 1」のように1を掛けて数値に変換する必要があります。
「&(アンパサンド)」は文字を繋げるための演算子になりますが、Excelの表示形式に関するポイントを含めて実務にご活用いただければ幸いです。

(担当:瀧川 仁子

投稿日時:
Webにおけるセーフカラーを使えばどのWebブラウザでもまったく同じ色が表示されるのですか?
セーフカラーとは、Web上の色を構成するRGBの値をそれぞれ6つの段階に分割して、その6種類を組み合わせて作られる216色を指します。
結論から申し上げますと、Webのセーフカラーは全てのWebブラウザで同じ色の表示を保証するものではありません。
Webセーフカラーは本来Netscapeという特定のWebブラウザを使用した場合、閲覧環境が異なっても表示可能な色を定めようという考えの元で登場しました。Netscapeが普及していた時代がそもそも古いお話になりますが、現在は多くのモニターでは216色どころか1600万色以上の色が表示可能です。従って、セーフカラーは技術の発達によって役目を終えたと見て良いと思います。

さて、ここからは質問から少し離れますが、表示する色を同じにするというお話に関連して、モニター等機械自体の違いによって、制作者の画面で見る色は、閲覧者の画面で見る色と必ずしも完全に一致しない場合があるというお話をご紹介したいと思います。
例えば服やアクセサリーをWebサイトを通じて販売する会社は、魅力的にな商品の購入を促すために、商品撮影時の照明の方向からレタッチに至るまで、正確な色表現に対して細心の注意を払って商品画像を制作します。しかし、購入後お客様自身の目で確認する商品の色味と、購入前にお客様のモニターで表示されている色味が異なることがあります。これはお客様の閲覧環境が多様であるため、閲覧環境の違いによって生じる色の差異は制作者側で100%のコントロールが困難であることに起因しています。事前に制作者は複数のモニターなどで色味をチェックすることになりますが、それでも商品写真では特にグレーやベージュなどの薄い色が、モニターごとの色味の影響を受けやすく、場合によっては色味が少し異なって表示される場合があります。
そのため、ある程度の色味が違って見えることを前提にWebサイトや業務を検討すると良いでしょう。

(担当:斉藤 万幾子

投稿日時:

講師からのコメント

セミナーご受講ありがとうございました。データベースを理解するためには、テーブル設計がとても重要なテーマになります。今回、重点を置いてお話ししました「正規化」についてご理解いただけ、嬉しく思います。また、カリキュラムへのご要望ありがとうございました。1日速習という短時間のため難しい部分もありますが、今後の検討課題とさせていただきます。テーブル設計全体の流れを含めて、ぜひ実務へ応用しながら復習していただければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
(担当:小口 真己

講師からのコメント

セミナーの内容がお役に立てたようで、嬉しいです! 分かりやすかったとのお話も嬉しいです。パワーポイントには普段使っていないけれど、実は業務に応用できる便利な機能というものがたくさんあります。今回の内容をお仕事で活用しながら、復習をしていただければ幸いです。ありがとうございました。
(担当:福井 康江

講師からのコメント

今回のセミナーではHTML/CSSの基本的なお話や、ネットワークの概念等のお話が中心となりましたが、お役に立てましたようで良かったです。やはりこのようなセミナーを通じて基本的な知識を学んでおくと、いろいろな場面での応用が行いやすくなります。今回の内容の復習を兼ねて、ぜひお仕事に活かしていただけたらと思います。ありがとうございました。
(担当:斉藤 万幾子

講師からのコメント

この度はエクセル初級セミナーへのご参加をありがとうございました。分かりやすかったとのお話を伺い、安心いたしました。今回はエクセルの基礎的な内容を中心にお話をしましたが、この内容はお仕事でどれもよく使うものばかりですので、ぜひしっかり練習をし、活用いただければと思います。機会がございましたら応用編へのご参加もご検討いただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(担当:瀧川 仁子

講師からのコメント

セミナー内容に関するご要望ありがとうございます。当校では1日速習という短時間で重要なポイントを学んでいただいているために、実作業の時間が比較的短めになってしまい、申し訳ありません。ぜひ、今回の内容の実習・復習を兼ねて、お仕事に活かしていただけたらと思います。ありがとうございました。
(担当:斉藤 万幾子

講師からのコメント

今回のセミナーではHTML/CSSの基本的なお話や、ネットワークの概念等のお話が中心となりましたが、分かりやすかったとのお話で、安心いたしました。ぜひ復習を兼ねて、簡単なWebページでも構いませんので作ってみていただけたらと思います。次回のご参加もご検討いただければ幸いです。ありがとうございました。
(担当:斉藤 万幾子

講師からのコメント

この度はアクセス応用セミナーへのご参加をありがとうございました。また、お褒めの言葉とても嬉しく思います。やはりこのようなセミナーを通じて「体系だった」知識として学んでおくと、これまで何となく実施していた内容が整理された形で理解が深まり、いろいろな場面での応用を行いやすくなると思います。ぜひ今回の内容をお仕事で使っていただきながら、復習をしていただければと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(担当:瀧川 仁子

講師からのコメント

セミナーの内容がお役に立てたようで、嬉しいです! 今回は少人数でしたので、ご質問にも色々とお答えすることが出来、良かったと思います。今回の内容を、ぜひお仕事を通じて活用しながら、復習していただければと思います。またのご参加をお待ちしております。ありがとうございました。
(担当:福井 康江

投稿日時:

ビジネスパワーアップコラム<ロジカルシンキング編> 第十七回

前回のロジカルシンキング編コラムでは、順序の原則を構成する3つのルールの最後である「重要度順」についての説明をしました。重要度順を考える際には、

・構成する各要素がMECEであること
・要素間には意味合い上の類似性もしくは関連性が存在すること
・上記2点が成立する際に、重要度の高い順から並べること

これらの点を押さえることが基本ではありますが、重要度順とはそもそも「誰にとって」重要なものであるかを考えること、言い換えれば

重要度を判断する基準

が最も重要であることを押さえておく必要がありました。

今回のコラムは、これまでのロジカルシンキング編の最後のポイントとして、論点の要約を行うことによる「思考の完成」プロセスの説明をしたいと思います。

論点要約プロセスの説明の前に、論理思考の基本である「ピラミッド思考の原則」をもう一度思い出してみましょう。
ピラミッド思考の原則とは

・掘り下げ=「縦方向思考の原則」
・広がり =「横方向思考の原則」
・優先順位=「順序の原則」

この3つのルールに従って思考のピラミッドを構築するということでした。その中の最初のポイントである「縦方向思考の原則」については

「掘り下げ」と「まとめ上げ」の思考方法

であることを第八回のロジカルシンキング編コラムでお話しました。

今回のコラムのポイントである「論点要約プロセス」は、この「掘り下げ」と「まとめ上げ」の思考様式である縦方向思考の原則と関連するポイントとなります。あるテーマを掘り下げていくつかの論点を述べることをイメージしてみましょう。このようにトップダウンで論点を掘り下げた場合、下位階層の論点グループの内容を再度要約することで、本当に上位階層の論点(テーマ)と話が関連するかどうか、言い換えれば縦方向思考の「論理的妥当性」が正しく成立しているかどうかをボトムアップで再確認する必要があります。

縦方向思考のトップダウンで論点を掘り下げる作業においては、「思いついた論点候補」を下位階層に列挙していくだけでは、その論点候補が本当に上位階層の論点と論理的に関連するかどうかは保証されません。下位階層に属する他の論点候補と照らし合わせ、それらの論点候補をまとめて「結局何が言えるのか」=「要約」を作成し、要約内容が上位階層と関連していることを明確化することで、初めて上位階層と下位階層が論理的に正しく繋がることを確認出来ます。言い換えれば、この要約作業を行うことで、階層間の論理構造が正しいことを確認することが可能となります。その点から、要約とは「思考を完成させる」プロセスであると言えます。

要約を行う際に注意すべきポイントは、

「要約が目指すものは、2つしかない」

ということです。言い換えると、ある論点グループを要約した場合、その要約の骨子は

・行動の考え=「一連の行動の結果」
・状況の考え=「一連の考えから推測される結論」

のいずれかになる、ということです。

行動の考えとは「ある行動を実施するための考え」であり、論点それぞれが「○○をする」のような「アクション」となっている場合の要約となります。すなわち、下位階層に示される一連のアクションを実行した結果として、上位階層に示されるテーマ(これも行動の考えの場合はアクションとなります)が実際に実施可能となるイメージが「行動の考え」です。この場合のポイントは、グループ内の各論点がそれぞれ「アクション」となっていることであり、アクションに繋がらない単純な「考え」が存在する場合には別の論点グループに整理し直す必要があります。

一方で状況の考えとは「理由・問題点・結論等の説明」であり、論点それぞれが「○○である」のような「考え」となっている場合の要約となります。この場合、下位階層に示される一連の考えに共通する類似点を見いだし、それが上位階層に示されるテーマ(状況の考えの場合は「より上位の考え」となります)に繋がるイメージとなります。

このように要約は「行動の考え」と「状況の考え」の2通りに分けることが出来ますが、この原則が役立つのは「論点を思いつくまま列記していった場合に、アクションと考えが混在してしまう」状況を整理する場面となります。例えば、業績改善をテーマに掘り下げるイメージを考えてみますと、論点としてまず思い浮かんだものが

<業績改善>
−モチベーション
−商材
−訪問回数を増やす

だとしましょう(あくまでも「思い浮かんだ=未整理」の状態と考えて下さい)。

「モチベーション」や「商材」は「考え」ですが、「訪問回数を増やす」は「行動」になります。
このように、ある論点グループ内に「行動」と「考え」が混在している場合は、論点を正しくまとめ上げることが出来ません。ですので、例えば「モチベーション」や「商材」は「現状」のグループに入れ、一方で「訪問回数を増やす」は「改善策」のグループに入れる必要があります。

まとめますと、

・トップダウン思考で掘り下げた内容を要約することで、階層間の論理構造の妥当性を確認出来る
・要約は「行動の考え」か「状況の考え」のいずれかの形式を採る
・行動と状況(考え)が論点グループ内に混在している場合は、グループを整理し直す必要がある

ということになります。このプロセスを経ることで、論理的な思考様式を完成させることが可能となります。

以上、十七回に渡り「ロジカルシンキング編コラム」をお送りしてきましたが、今回でロジカルシンキング編は完了となります。ロジカルシンキング=論理思考はビジネスを効果的に進める上での基本ツールの一つですので、是非

・言葉の定義を明確にする
・論理とは「相手の考え」とも関連するので、相手の疑問を常に予測する
・人間の思考回路はピラミッド構造である

こと、また具体的な論理思考の進め方として「ピラミッド思考の原則」すなわち、

・掘り下げ=「縦方向思考の原則」
・広がり =「横方向思考の原則」
・優先順位=「順序の原則」

という考え方があることを今一度ご確認いただき、皆様のお仕事にお役立ていただければ幸いです。

(担当:佐藤 啓